韓国の経団連といわれる『全国経済人連合会』が公表した、韓国の家計負債を外国と比較したリポートをご紹介します。
というタイトルのリポートです。
何度もご紹介していますが、韓国の家計負債はすでに対GDP比で100%を超え、つまりGDPよりも負債の方が多いという状態になっています(2020年末時点で103.8%)。
で、これが韓国の場合、家計負債だけではなく、政府、企業も足して、「政府・企業・家計」の3部門全てで負債が急増しているので大問題なわけです。
政府負債についてはもう何度も、韓国企画財政部の洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が口を開く度にご紹介してきたので、ここでは置くとして、企業・家計負債の2つについて見てみましょう。
『全国経済人連合会』の同リポートに非常にいいグラフが出ていますので、これを以下に引用させていただきます。
記事末のURLの『全国経済人連合会』リポートから引用。日本語、赤丸、赤線は筆者が説明のために加えました
オレンジの線が企業負債の対GDP比、青のラインが家計負債の対GDP比の推移です。
以下が2020年末時点での、現在の対GDP比のステータスです。
企業負債:111.1%(2,137.6兆ウォン)
家計負債:103.8%(1,998.3兆ウォン)
ご注目いただきたいのは、1997年のアジア通貨危機から2年後の1999年に企業負債が「対GDP比:113.6%」となっており、ほとんど2020年現在と似たような水準にあるということです。
つまり、現在の企業負債の水準は、まさにあの『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)危機時に匹敵するほどだというわけです。
家計負債の方はアジア通貨危機時の倍以上の水準です。
さらに見ていただきたいのは、2017年以降の傾きの急さです。つまり、文在寅大統領が就任以降に急激に負債が増えたことを意味します。
負債増加のスピードが早すぎる!
韓国が問題なのは、まさにこの負債の増加するスピードです。以下は2016年と2020年における負債対GDP比率を、韓国とG5で比較したデータです。
G5とは、アメリカ合衆国、イギリス、日本、ドイツ、フランスです。
まずは家計負債の対GDP比率。
2016年 | 2020年 | 伸び率 | |
韓国 | 87.3% | 103.8% | 18.9% |
G5平均 | 66.1% | 72.5% | 9.7% |
明らかに韓国はG5平均よりはるかに早く負債が急増しています。
次に企業負債の対GDP比率。
2016年 | 2020年 | 伸び率 | |
韓国 | 94.4% | 111.1% | 17.7% |
G5平均 | 90.0% | 104.9% | 16.6% |
※上掲2つの表組は『全国経済人連合会』のリポートからMoney1編集部が作成しました
G5平均より少し早いだけと思われるかもしれませんが、G5平均より早くてどうするんだという話です。――このように韓国の企業・家計負債は非常に早い速度で上がり続けています。特に家計負債は、先にご紹介したとおり『韓国銀行』も懸念を表明しております。
⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』公式サイト「韓経研]民間債務の現状と国際比較」
(吉田ハンチング@dcp)