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中国「米国債を買うのやめようかなー」チラッ

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01月10日に「中国が米国債の買い入れを停止する」という報道が入り為替市場でドル安が進行するという事態となりました。円高も進み、01月11日の日本市場が開けるころには111円台前半までとなりました。

先日紹介したドルの強弱を示す指数(INDEX)「DXY」のチャートは以下のようになっています(『Investing.com』より引用)。

その後、10日の急激な下落後いったん戻しましたが、翌11日にまた急下落しています。

01月11日には、中国国家外為管理局(State Administration of Foreign Exchange:SAFEと略されます)が、「中国が米国債の買い入れを縮小または停止を検討している」との報道に対して、

「私たちはいくつかの報道でそのことを知った。そのようなニュースは何か誤った情報源を元にしているか、あるいはフェイクニュースではないかというのが、我々の見解です。

中国の外貨準備は、その安全性を確保すること、また価値が維持され高まることを常に考え、多様化の原則に従って投資管理されてきました。米国債を買い入れていることは、市況や投資ニーズに即した投資行動であり、これは専門家に管理されています。これらの投資活動は、中国の外貨準備の維持、また国際金融市場の安定に寄与するものであると評価されている、と考えています。」

との回答を公表しました。

⇒データ引用元:『中国国家外為管理局』「米国債の問題への担当スポークスマンの回答」
http://www.safe.gov.cn/wps/portal/!ut/p/c5/04_SB8K8xLLM9MSSzPy8xBz9CP0os3gPZxdnX293QwML7zALA09P02Bnr1BvI2c_E_1wkA6zeGd3Rw8Tcx8DAwsTdwMDTxMnfz8P50BDA09jiLwBDuBooO_nkZ-bql-QnZ3m6KioCACk6Xh-/dl3/d3/L2dJQSEvUUt3QS9ZQnZ3LzZfSENEQ01LRzEwODRJQzBJSUpRRUpKSDEySTI!/?WCM_GLOBAL_CONTEXT=/wps/wcm/connect/safe_web_store/safe_web/whxw/zcfgjd/node_news_zcfgjd_store/fefe6e804408801baf53afbd497ce1c3

中国の外貨準備高は2017年12月時点で「3兆1,400億ドル」、同年10月時点で米国債を「1兆1,900億ドル」保有しています。

実際に中国が米国債をこれ以上買い入れないと決定した場合には、為替市場のみならず、債券市場、株式市場も巻き込み、世界経済に巨大な影響を与えます。

アメリカにしてみても、国債は発行し続けななければなりません。直近の騒動でいえば、政府機関の封鎖を伴うデフォルトを避けるためにも国債発行が必要です。しかし、発行した国債を購入してくれる買い手がいなければ資金の調達はできないのです。

中国は、アメリカの弱みにつけこんで「これ以上は買わないかもよ?」という観測気球を上げたものとも考えられます。

というのは、中国からの輸入製品に高関税を課すかについての判断を、アメリカが今まさに行おうとしているところだからです。

「米国債に替わる流動性の高い投資先が他にあるもんか!」とアメリカのアナリストから反発の声が上がっていますが、それにどこかヒステリックな響きがあるのは、中国がちょいと痛いところを突いたからでもあるでしょう。

狡猾で小賢しい中国 VS 「ディール」のトランプ師匠

という、なんだかなぁな戦いはどのような「落としどころ」を迎えるでしょうか?

(柏ケミカル@dcp)

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