中国の外貨準備高と対外債務

中国が公表している経済指標は常に疑問視されています。信頼に足るデータであるか分からないからです。

先日も「中国の外貨準備高が3年ぶりに増加」といったニュースがありましたが、これなども「その奥に何があるか」を見なければなりません。決して中国経済の好調ぶりを伝えているものではないからです。

『夕刊フジ』に掲載されている田村秀男先生のコラムがちょうど「中国の外貨準備高と対外債務」について取り上げていらっしゃいます。その一番のポイントを以下に引用します。

中国の外準の増加は外部からの外貨による借金で支えられているだけで、外準が増えることは中国経済の強さではなく、脆弱(ぜいじゃく)さを物語るのだ。

(中略)

人民元国際化は打開策だが、海外で元の自由市場が生まれると、中国本土の元管理相場が脅かされる。習氏の膨張主義は限界に直面している。日本は一路一帯など手助け無用だ。

⇒データ引用元(以下同):『夕刊フジ』2018年01月12日号(11日発行),田村秀男「『お金』は知っている」強調文字は筆者による

田村先生の記事は背景にあるデータをきちんと引用して執筆されており、論旨の明確さ・分析の確かさにおいて凡百の評論家と一線を画しています。コラム内に掲載されたグラフは以下で、これはCEIC※からのデータを基にしています。

このデータから田村先生が指摘するのは以下のような点です。

・外貨準備の減少は2017年初頭に底を打った
・しかし、外貨準備のトレンドは2014年後半以降は下向き
・対外負債は増加し続けている。
・対外負債は2017年9月時点で外貨準備高の1.6倍
・対外負債の一部が外貨準備高に流用されている

つまり、中国という国は外部からの借金なしには(対外負債を増加させなければ)、習近平の目論見どおりに国を回すことができない、という指摘なのです。

※CEICは「世界各国の経済に関する統計データ」を提供している会社。エコノミスト、アナリスト、ファンドマネージャーなどから広く利用されている。データの取得については有料。

(高橋モータース@dcp)