ファイナンス(finance:金融)とテクロノジー(technology:技術)を合わせた「フィンテック(fintech:financial technology)」という言葉をあちこちで聞くようになりました。
しかし、それはどこが新しいの? と疑問に思うようなサービスが「フィンテック」の名の下に行われていることがあります。「AIを使って……」といった惹句もよく聞くところですね。
『夕刊フジ』で連載中の山崎元先生がコラム「経済快説」の中で「ロボアドバイザー」について取り上げていらっしゃったので、それを引用してみます。
<<引用ここから>>
人工知能(AI)がお金を運用するという触れ込みのロボアドバイザーはとても「フィンテック」と名付けられるような代物ではないし、サービスの方向性が間違っていると筆者は思う。個人的には「ボロアドバイザー」と呼んでいる。
ロボアドバイザーは、幾つかの質問に答えると、公募の投資信託やETF(上場型投資信託)を組み合わせて、顧客のお金を運用する。質問内容には、顧客がどの程度リスクを取ることができるかを聞くタイプのものと、顧客が市場の見通しや運用商品についてどう考えているかを聞くものの、大きく2通りあるが、どちらも顧客である投資家本人が考えるべき内容であって、ロボに「お任せ」にすることが不適切だ。
(中略)
初心者は運用方針を決められないことが多いし、市場をいつも見ているわけにはいかない。だから、専門家やAIに任せる選択があっていいのではないか、という金融マンやその手先は少なくないが、相手がロボでも人間でも運用を「任せる」方が本来は難しいのであって、手数料を払ってまで自分のお金のコントロールを手放すことは全く愚かだ。
⇒引用元:『夕刊フジ』2018年1月11日号(1月10日発行)7面「経済快説」山崎元
強調文字は筆者による
<<引用ここまで>>
非常に面白い内容ではないでしょうか。山崎先生は歯に衣着せぬ発言で知られる経済評論家でいらっしゃいますが、初心者に明快な論理で助言をしてくれることでも有名です。
「金融マンやその手先は」という言い回しにも山崎先生らしさを感じさせます。今回のコラムを山崎先生は、
少なくとも「お任せ」はやめよう。
と結んでいらっしゃいます。筆者も全く同感です。
(柏ケミカル@dcp)