韓国銀行から「Trade Settlement Currency in Korea 2019」(韓国の貿易決済通貨 2019)というプレスリリースが出ました。
これはタイトルどおり、海外との貿易で代金を決済する際に韓国がどんな通貨を使っているかをまとめたものです。
以下に同資料から概要を抜粋します。まず「輸出」の部です。
The U.S.dollar represented the largest proportion(83.5%) of settlement currencies for Korean exports in 2019.The euro(6.1%) took the second highest share,followed by the Japanese yen(3.1%), the Korean won(2.6%) and the Chinese yuan(1.8%).
2019年、韓国の輸出の決済通貨では、合衆国ドルが最大の割合(83.5%)を占めた。ユーロ(6.1%)が2番目に高いシェアで、続いて日本円(3.1%)、韓国ウォン(2.6%)、中国人民元(1.8%)だった。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Trade Settlement Currency in Korea 2019」(以下同)(原文・英語/筆者(バカ)意訳)
※強調文字は筆者による(以下同)
次に「輸入」の部です。
For import settlements in 2019, the U.S.dollar accounted for 80.6%, followed by the Korean won(5.9%),the euro(5.9%),the Japanese yen(5.6%) and the Chinese yuan(1.1%).
2019年の輸入決済では、合衆国ドルが80.6%を占め、韓国ウォン(5.9%)、ユーロ(5.9%)、日本円(5.6%)、中国人民元(1.1%)と続いた。
輸出入の決済通貨がほとんど合衆国ドルなのは、基軸通貨なので当然ですが、面白いのは「対中国の輸出入」です。
中国相手の輸出入を見ると、以下のようになります。
「中国への輸出」の決済通貨
合衆国ドル:89.1%
中国人民元:6.6%
韓国ウォン:2.8%
日本円:1.1%
※合計すると「100%」に達しませんが原資料のママ「中国からの輸入」の決済通貨
合衆国ドル:90.1%
中国人民元:5.1%
韓国ウォン:2.6%
EUユーロ:1.1%
※合計すると「100%」に達しませんが原資料のママ
韓国には、「中国との貿易は『人民元・ウォン』で行うのはどうだろうか。中国は人民元を国際通貨としての地位を高めたいと考えている。韓国との貿易で使用率が増えればそれに資することができる。韓国としてもウォンが使えるなら、為替差益の問題を解消できてメリットがある」などと寝言を言う「識者」がいるのです。
しかし、現実は上記のとおりで「合衆国ドル」が9割を占めており、人民元・ウォンの使用量は少ないままにとどまっています。
上掲の「『中国からの輸入』の決済通貨」からも分かるとおり、韓国に輸出する中国は代金を「ウォン」なんかで受け取っても仕方がない、と考えているのです。
追記
ちなみに、対日本の輸出入の決済通貨はどうなっているかというと……以下になります。
「日本への輸出」の決済通貨
日本円:47.4%
合衆国ドル:46.8%
韓国ウォン:5.3%
EUユーロ:0.4%
※合計すると「100%」に達しませんが原資料のママ
「日本からの輸入」の決済通貨
日本円:53.4%
合衆国ドル:38.7%
韓国ウォン:6.3%
EUユーロ:1.4%
※合計すると「100%」に達しませんが原資料のママ
日本との輸出入については日本円と合衆国ドルが主に使われているようです。日本も「ウォン」で代金を支払われるのは勘弁してくださいってことですね。
(柏ケミカル@dcp)