2023年07月13日、中国の海関総署が「2023年06月の輸出入動向」のデータを公表しました。
結果はかなりマズいことになっています。中国のリオープニングなどといわれきましたが失速が明らかです。以下をご覧ください。
2023年06月
輸出:2,853.2億ドル(-12.4%)
輸入:2,147.0億ドル(-6.8%)
貿易収支(輸出 – 輸入):706.2億ドル※( )内は対前年同期比の増減
韓国と違って貿易収支が赤字にはなっていませんが、ご注目いただきたいのは輸出金額が対前年同期比で「-12.4%」と大きくマイナスとなっていることです。
Money1でも先にご紹介しましたが、前月、05月は対前年同期比で「-7.5%」でした。
対前月比で見ても、06月は「-3.2%」です。徐々に、しかし確実に中国の輸出は明らかに減少傾向を描き始めました。
主要地域別のデータを見てみましょう。対前年同期比の輸出額の増減は以下のようになっています(ドル建て)。
2023年01~06月累計「輸出額の対前年同期比」増減
対アメリカ合衆国:-17.9%
対EU:-6.6%
対日本:-4.7%
対韓国:-4.6%
対台湾:-24.7%
対インド:-0.9%
対カナダ:-19.3%
対イギリス:-3.7%
対ASEAN:+1.5%
上掲のとおり、自由主義陣営国に対する輸出金額は対前年同期比でほとんどマイナスです。中国にとって救いはASEANに対する輸出が(対前年同期比)プラスで回っていることです。
実は、中国にとっては、アメリカ合衆国よりもASEANの方が輸出金額が大きく、中国が大もうけできる市場になっているのです。01~06月の累計輸出金額で比較すると以下のようになります。
対アメリカ合衆国:2,393.5億ドル
対ASEAN:2,631.6億ドル
対ASEANで輸出金額が落ち込むことになれば、真剣な危機的状況といえるでしょう。
中国のリオープニングといわれてきましたが、中国経済を支える一つの柱「輸出」において、減少傾向が明らかです。輸出金額01~06月累計「1兆6,634.3億ドル」、対前年同期比の増減「-3.2%」ですから。
中国を締め上げるためには、中国にお金を入れてはいけません。中国の輸出金額がもっと下がるようにサプライチェーンを組み替えて、脱中国を進めるのが良い方向です。
(吉田ハンチング@dcp)