まだ07月分の輸出入のデータが締まっていませんので、上半期だけになりますが、2023年韓国の対中国貿易はまさに大赤字に陥っています。
以下は2023年01~06月の対中国「貿易収支」の推移です(通関ベース)。
上掲のとおり、01月から06月までずっと貿易赤字で、01~06月累計では「-131.25億ドル」になります。
これを年次の推移で見るともっと悲惨です。
信じられないかもしれませんが、2018年は「553億ドル」も貿易黒字だったのです。それが急転直下。
2022年はわずか「13億ドル」まで急下落して、今や「-131億ドル」です。
これまで対中国貿易でボロ儲けてきた韓国ですが、修好31周年目にして中国がもうけるターンとなっているのです。
最大貿易相手国の中国から、もはやボロ儲けどころか黒字を出すことも叶わない状況です。なまじ貿易金額が大きいため赤字も巨額になります。
問題なのは、対中国輸出が回復し、対中国輸入が減少して黒字に戻ることができるのか?という点です。
韓国でも「もはや、それは無理だろう」という観測が出ています。
例えば、『中央日報』です。2023年07月21日付けの記事では、『韓国銀行』のリポートも引きながら以下のように書いています。
『韓国銀行』は21日、「最近の韓国輸出の特徴及び示唆点」報告書で、新型コロナウイルス感染症で中国の封鎖措置が施行された後の22年04~12月と比較して23年01~04月に韓国の対中輸出が減少した原因を分析した結果、
中国内での韓国産品目のシェア低下など競争力要因が35%を占めることが分かったと明らかにした。
残りの65%は、中国自体の韓国産品の需要が減少したことによる景気要因だった。
(中略)
国別では、
中国(-26.0%)
ASEAN5カ国(-21.4%)
日本(-10.7%)などが1年前に比べ大幅に減少し、
合衆国(+0.3%)
EU(+4.9%)
中東(+14.0%)は回復基調を維持した。
このような流れが1年以上続き、06月の対米輸出比率は2002年(20.2%)以来、最も高い17.9%を記録した。
対中輸出の割合は19.6%で、米国との差が1.7%ポイントまで縮まった。
報告書は、下半期以降、IT景気の低迷が緩和されても、国別の産業構造や競争力の変化などの構造的要因のため、輸出が過去のように大きく反発することは難しいと指摘した。
ただ、対合衆国輸出は増加したように、グローバルサプライチェーン再編に効果的に対応すれば、構造的要因の限界を克服する可能性があると提言した。
(後略)
ご注目いただきたいのは「半導体が下半期に回復したとしても、輸出が過去のように大きく反発することは難しい」です。「回復しない」ことを認めた言説です。
『釜山港へ帰れ』ではありませんが「あなたは~帰らない♪」です。
(吉田ハンチング@dcp)