『朝日新聞』記者「中国経済の回復は予測に届きませんでしたが?」中国「デフレではない」

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コロナ禍も一段落して、中国がリオープニングするので経済も安定化するだろう――という予測がありましたが、中国経済の失速は明らかです。

(そもそも誰も信じてはいませんが)中国の第2四半期の実質GDP成長率は「6.3%」と公表されました。

市場予測の「7.1%を下回りました。

『Bloomberg』が調査したエコノミストの予想中央値。

そろそろ危ないんじゃないのか、という話なのですが、とにかく2023年上半期は締まりました。

2023年07月14日、『中国人民銀行』の劉国強副総裁が「2023年上半期金融統計」についての記者会見を開いています。日本の『朝日新聞』記者が非常に直截な質問を投げており、その部分が面白いので議事録から一部を以下に引用してみます。

『朝日新聞』記者:
中国経済は今年に入って回復を続けているが、一部の専門家は回復のスピードが期待ほど速くないと指摘しています。中央銀行は今年後半の景気回復のスピードをどう見ていますか。また、金融面では下半期にどのような対策を導入する必要がありますか?

劉国強:
ご質問ありがとうございます。

現在のマクロ経済データは後退しており、最近になって議論が活発化していますが、幾つかの問題を避けて通ることができないのは事実です。

同時に、マクロ経済を見る際には、問題志向を堅持するだけでなく、体系的な概念を持ち、ポジティブな面を見るべきだと考えています。

金融データの回復はより明白で、明るい材料も増えており、マクロ経済運営も全体的に良い傾向への回復を見せています。

第1に、インフラ投資への金融支援が引き続き助けとなる役割を果たしている。06月時点で、インフラ産業への中長期融資は前年同期比15.8%増となり、大型プロジェクトの着実な建設を強力にサポートしている。

第2に、住宅ローンの妥当な伸びとコストの着実な低下により、消費は着実に回復している。

上半期、個人短期消費者ローンは3,009億元増加し、前年同期比4,019億元増加し、06月の個人住宅ローン金利は4.11%で、前年同期比0.51ポイント低下した。

住民の大量消費需要は引き続き解放され、ネット消費はより速く成長し、サービス消費は引き続き持ち直した。鉄道と航空会社の夏の旅客輸送量は2019年同期と比べ、07月以降大幅に増加した。

第3に、民間中小零細企業や製造業など主要分野への的確な支援を強化しており、対外貿易輸出や民間企業の経営は底堅さを維持している。

06月末時点で、包括的な中小零細企業向け融資残高は前年同期比26.1%増、製造業向け中長期融資残高は同40.3%増となった。

世界経済の回復の勢いが弱まっている中で、背景には世界貿易量のマイナス成長、多くの国は現在、輸出が減少している。

幾つかの減少はまた、比較的大きいですが、このケースでは、人民元ベースの財の中国の輸出の上半期はまだ独立したブランドの輸出の民間企業が11.5%増加し、そのうちプラスの成長を達成する。

中国の長期的な経済改善のファンダメンタルズは変わっておらず、我々は質の高い発展に確固たる自信を持つべきである。

現在、経済が直面している幾つかの課題は、流行後の経済回復過程における正常な現象である。

国際的な流行後の消費と経済の回復には時間がかかり、一般的に正常に戻るには約1年かかると考えられているが、中国のスムーズな移行はわずか約半年で行われた。経済サイクルと住民の所得、消費などは積極的に改善されている。

世界の政治経済情勢は複雑怪奇であり、我が国の発展潜在力はより強く、市場の期待も総じて安定しており、外部環境の変化に効果的に対応している。

長期的なトレンドから見ると、経済全体が質の高い発展へとシフトしている。 科学技術革新の勢いが増し、グリーン転換が着実に進み、消費市場が徐々に回復・高度化し、質の高い発展の力が蓄積されつつある。

対外経済の高インフレを背景に、わが国の物価は比較的安定している。

ここ数カ月、中国の物価は低水準で推移しているが、デフレではない。

CPI前年比上昇率は、今年から衝撃的なダウン、07月にも下向きの可能性があり、主に需要の回復のタイムラグと段階的な現象によって引き起こされるベース効果。

中国のマクロ経済が着実に回復し、M2はより速い成長を維持するために、歴史の中で示される典型的なデフレとは明らかな違いがあります。

そのため、現時点ではデフレではなく、今年後半もデフレのリスクはないと言える。
(後略)

⇒参照・引用元:『中国人民銀行』公式サイト「2023年上半年金融统计数据新闻发布会文字实录」

朝日新聞記者が「予想よりも経済回復が下回っていますよね」と直球をぶつけたところがまず面白いです。

ご注目いただきたいのは、『中国人民銀行』の劉国強副総裁が「デフレではない」と繰り返し強調している点です。「デフレじゃない」と4回も言っています。

識者からは「中国はデフレに突入したのではないか」という指摘が出ており、これを意識したものと思われます。

しかし、中国側が言えば言うほど「本当に?」と疑いたくなるのが中国経済です。

不動産価格を下げることを許さず、公務員の給料、企業の給料を無理やり下げようとしていると報告されているのに、本当にデフレに向かっていないというのでしょうか。

中国が飛ぶのは、中国共産党の統制でも凌げなかったときです。かなり危なくなっていると見えるのですが。

(吉田ハンチング@dcp)

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