韓国「鉄筋ヌケ」も政争の具。欠陥住宅は文在寅政府のせい

広告
おススメ記事

2023年08月02日から08日まで韓国・尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は夏休みです。奥さんと一緒に避暑地に行くということで、大統領室も多くは夏季休暇に突入とのこと。

しかし、第20代大統領室の報道官は「尹大統領は休暇中だが、今日(08月02日:引用者注)午前にも秘書室長および関連首席らと無梁版不良工事問題を優先的に深く議論した」と話しました。

政府も例の「鉄筋ヌケ」マンション問題での対応に追われています。

韓国政府「鉄筋ヌケ」マンションの実態公表。154本の柱全部が鉄筋ヌケな建物も!
先にご紹介した韓国『GS建設』の手抜き工事発覚の余波が広がっています。「あるべき鉄筋を抜いてました」なので、さすがに韓国内でも衝撃が走りました。ケンチャナヨにもほどがある、なので「待てよ、他のマンションは大丈夫なんだろうな」となって当然です...

『LH』社長も謝罪して「カルテルに立ち向かう」

『LH』(韓国土地住宅公社)が発注したマンションで不具合が発生したということで、『LH』自体のずさんさが問われる事態ともなっています。


↑補強工事のためのジャッキが設置されている地下駐車場。京畿道烏山市A6地区のマンション。国語交通部の調査によれば90本の柱のうち75本にせん断補筋が入っていませんでした。

2023年08月02日、『LH』はソウル地域本部において「反カルテル公正建設革新計画会議」を開きました。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が指摘していますが、「本件で甘い汁を吸ったやつらがいるのではないか」という件を調べようというのです。

イ・ハンジュン『LH』社長は「無梁版駐車場の鉄筋欠落の結果発表後、不良施工に対する批判はもちろん、全官特恵疑惑を強く受けている状況」と述べました。


↑緊急対策会議で謝罪している『LH』のイ・ハンジュン社長。

マンションの不具合のみならず、甘い汁を吸った奴らがいるだろうという批判を浴びている――ご様子。

針のむしろでしょう。Money1でもかつてご紹介したことがありますが、韓国唯一の内需といっていい不動産開発に関わる公社であるため、業界との癒着や関係が取りざたされても仕方ありません。

そもそも公社の従業員が土地転がしに勤しんでいたことが発覚したりしていますので、信用できないことおびただしいのです。

イ社長は「今回、建設の安全性を適切に確立できず、設計・監理など『LH』の建設工事の全過程で発生可能な特恵疑惑を払拭できなければLHの未来はない、という覚悟で高強度の対策を策定する」と述べました。

また、「無梁版構造が住居棟ではなく、駐車場だけに適用されたという事実を改めてお伝えする。入居者が希望すれば追加で集中点検を行い、安心するまで補完工事を進める」とし、「まず『LH』が補強工事を行った後、入居者が指定した業者に依頼して安全点検を行い、安心してもらえるまで無制限の責任をもって対応する」とも述べています。

やるからには、全てがつまびらかになるまで、とことんやるべきです。

今回の調査では、施工会社の実名なども公表されているため、企業に対する信頼が大きく揺らぐことになるかもしれません。しかし、いい加減な設計・施工・監理を行っていた会社は明らかにされるべきでしょう。

政府与党は「前政権のせいだ!」

2024年の総選挙が迫っているため、与党『国民の力』は本件も政争の具にするつもりです。

尹在玉(ユン・ジェオク)『国民の力』院内代表は、同日02日、国会で緊急記者懇談会を開きました。

尹院内代表は次のように述べています。

「政府の謝罪、捜査とは別に真相究明TF(タスクフォース)を発足し、アパート不実施工の全貌を一層掘り下げるだろう」

「『LH』前・現職職員らの土地投機が起きたばかりではなく、鉄筋ヌケ事態まで起きたのを見ると、文在寅政府の住宅建設事業管理政策に深刻な欠陥があったと推定しなくてはならない」

「必要ならば、前政府の国土交通部はもちろん大統領室(大統領府)政策決定者に対しても調査がなされなければならない」

尹院内代表は、前文政権の責任を追求する構えです。

もちろん、文政権下での管理にも原因があるでしょうが、これは政争の具にする宣言に他なりません。大統領からも独立し、強大な権限と調査力を持つ監査院が動くことになりそうです。

このような政府与党『国民の力』の発言に対して、反尹政府・極左メディアの『ハンギョレ』は「国民安全問題は必ず前政府のせい…尹大統領の『責任を持たない国政』」という記事を出しています。

なんでも政争の具にするという態度は決して褒められたものではありませんが、しかし「文政権のせいではない」とも言い切れません。いい加減でずさんな政府だったのは確かですから。

一つ確実なのは、韓国の政争では「相手を潰すためなら何でもやる」ということです。

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました