韓国の『量子エネルギー研究所』が常温・常圧超伝導体「Lk-99」を開発した――と発表しました。
これによって、株価が急騰した銘柄があります。「超伝導銘柄」と呼ばれる株式です。そもそも超伝導体がまだないので、「超伝導銘柄」というのもいかがなものか、なのですが、こういうときは連想買いが大挙して押し寄せます。
世界中で「LK-99」が本物なのかの検証が進んでいますし、Money1でもご紹介したとおり韓国の『韓国超伝導低温学会』が検証委員会を作り、その真偽を確認する作業に乗り出しました。
韓国メディアでは「急騰した超伝導銘柄の株価が下落し始めた」というニュースも出ていますが、「そうでもない」銘柄もあるのです。超電導銘柄とされる株式の、直近チャートを見てみましょう(チャートは『Investing.com』より引用:以下同/日足)。
まず、『Sunam』(서남)です。
上掲のとおり08月03日まで急騰し下げていません。
以下は『Duksung』(덕성)です。
03日まで急上昇し、04日は陰線ですがコマ足。「下げていいものか」迷っているローソク足になっています。
以下は『Shinsung Delta Tech』(신성델타테크:新星デルタテック)です。
03日まで急騰しましたが、04日にはギャップダウンしました。しかし、いまだLK-99騒動前よりは高値水準にあります。
以下は『Mobis』(모비스:モビス)
同様に03日までは急騰し、04日にギャップダウン。しかし、騒動前より高値です。
「もしかしたら間違いかも……」という疑心暗鬼に陥った投資家の心情を反映するかのように、概ね急騰は止まりましたが、いまだどの銘柄も騒動前よりは高値水準をキープしています。
問題はここからです。
「超伝導関連なの?」という銘柄が上昇した例もあり、LK-99の真偽によっては、今度は急下落が懸念されます。
↑『DART』に公示された『Duksung』(덕성)の事業内容の説明。「国・内外多数の企業に対して合成皮革及び合成樹脂の販売を主事業」と書いています。Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット
『金融監督院 電子公示システム(DART)』によると、例えば『Duksung』(덕성)は新素材事業を推進していますが、主力事業は衣類、家具、情報技術(IT)素材などに使われる合成皮革製造業です。
「超伝導銘柄」になっていますが、03月の事業報告書によると、超伝導研究所を保有していたが、直近5年間の超伝導体に関する研究開発の実績は見られません。
他にも『新星デルタテック』は『量子エネルギー研究所』の持ち分を保有した『エル・アンド・エスベンチャーキャピタル』を非上場子会社としており、関連株に分類されていますが、主力事業部門は超伝導体とは距離があります。
他にも上掲以外に関連銘柄とされている会社はあります。
今回のLK-99騒動は株価にも大きな影響を与えており、先行きが大丈夫かどうか懸念されます。
(柏ケミカル@dcp)