2023年08月06日、韓国の行政安全部は、地方公企業411社※の「2022年度の決算」データを公表しました。
※直営企業252社、地方公社70社、公団89社の合計。
411社全体で見ると、バランスシートの項目は以下のようになります。
資産:231兆7,000億ウォン
負債:61兆3,000億ウォン
資本:170兆4,000億ウォン
資本が大きいので全体では大丈夫に見えますが、Money1を長く読んでいただいている方はご存じのとおり、中には「なんだこりゃ」という負債過多の公企業があるのが韓国です(例えば以下の記事をご参照ください)。
その証拠に、韓国政府が「負債重点管理機関」と指定されている公企業が27個あります。
この負債重点管理機関は「負債が1,000億ウォン以上あるか、負債比率が200%以上の公企業」を指します。
上掲のとおり、全体では負債比率(負債額を資本額で割ったもの)が「36.0%」になりますが、負債重点管理機関では、負債比率は「112.1%」になります。
これだけでも、27個の負債重点管理機関の財務状況がいかに悪いのかが察せられるでしょうが、この「112.1%」は対前年比で9.0%ポイントも上昇しています。
411社全体では「2021年:33.8%」から「2022年:36.0%」の、2.2%の上昇ですから、危ない機関は他の機関と比較してより悪化したことが分かります。
また、全411社の負債の増え方が2022年に加速しています。以下をご覧ください。
2017年から6年間、負債を50兆ウォン台に抑えてきたのですが、2022年に再び60兆ウォンを突破しました。
韓国政府は、政府負債をD1(中央政府の負債 + 地方政府の負債)しか公表していませんが、広義にはこれらの負債も政府負債です。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は、前文在寅政権下での負債拡大の歯止めをかけようとしていますが、皮肉なことに「中央政府:税収不足による負債拡大※」に合わせて「公企業の負債拡大」にも見舞われているというわけです。
※税収が足りませんが、支出は予定どおり出ていくので、公債発行、『韓国銀行』からの短借などによって凌いでいる状況です。
(吉田ハンチング@dcp)