韓国は、「北朝鮮の無人機にソウル市に突入され、迎撃に発進した空軍機が墜落する」という失態を演じたことがあります(2022年12月26日:以下記事参照)。
韓国でもドローン部隊を創設しようと決まったのですが、その先が難航しています。
「ドローン作戦司令部」は旧陸軍6工兵旅団の敷地に入る予定なのですが、地元の浦川市で賛否両論の議論が沸き起こり進まないのです。
韓国メディア『ヘラルド経済』が面白い記事を出していますので、以下に一部を引用します。
(前略)
01日、『ヘラルド経済』の取材を総合すると、新設されるドローン作戦司令部はドローンのない司令部になる見通しだ。これに先立ち、統合参謀本部は先月6日、ドローン作戦司令部が駐留する予定の浦川市の「公共機関の情報公開に関する法律」と住民の懸念を根拠にした回答要請に基づき、ドローン作戦司令部の運用方針を明らかにする公文書を送った。
統合参謀本部は文書内で「ドローン作戦司令部はドローンを運用する所属部隊を指揮統制する司令部で、当該施設ではドローンを一切運用しない」とし、「そのため、近隣地域への騒音、高度制限など住民の不便はない」と明らかにした。
統合参謀本部は、浦川市の解体された旧6軍団近くの15航空団の軍飛行場を活用したドローン戦闘部隊の配置の有無の質問にも、15航空団の軍飛行場を活用してドローンを恒久的に運用するドローン作戦司令部傘下のドローン戦闘部隊はないと線を引いた。
ドローン作戦司令部は幹部中心の戦略行政部隊であり、攻撃ドローンや偵察ドローンなどは前方部隊で運用するため、司令部周辺で住民が懸念する騒音や高度制限などはないだろうという話だ。
しかし、統合参謀部の回答が結果的にドローン作戦司令部内の訓練や試験、性能試験など一切のドローン飛行の足かせになるという指摘が続いている。
(中略)
これと関連し、軍の関係者は「ドローン作戦司令部の創設後、他の地域に移転する案を検討している」とし、「数年程度かかるだろう」と述べた。
(後略)
現地でドローンの運用反対の声が根強いので、設置される司令部にはドローンは置かないと表明した、というのです。
また、仕方がないのでとりあえず創設してから、数年かけて移転しよう――としています。
悠長な話ですが、安全保障上の問題はないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)