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ほら始まった「中国統計局が若者の失業率の公表を停止」

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先の記事で「統計をごまかす以外の手はあるのでしょうか」と書いたばかりですが……もう始まりました。

2023年08月15日、中国の統計局は「調査システムの改善と最適化の必要性を理由に、今月以降、年齢別の失業状況の公表を停止する」と発表しました。

公表停止の理由について、統計局は「経済・社会の発展が変化し、労働力調査・統計の改善・最適化が必要であり、例えば、学生の規模が拡大しており、卒業前に就職活動をしている学生を労働力調査・統計に含めるべきかどうかなど、さらに検討する必要がある」としています。

要は若年層の失業率が上昇しているのを知られたくないのです。

15日に発表された「雇用情勢」の記述に、すでに若い世代(16~24歳)の失業率についての言及はありません(以下をご覧ください)。

6.雇用情勢は全体的に安定、都市部失業率は基本的に横ばい

07月の全国都市失業率は5.3%で、前月より0.1ポイント上昇した。

地方世帯労働力調査失業率は5.3%、外国人戸籍労働力調査失業率は5.2%、うち外国人農業戸籍労働力調査失業率は4.8%、31大都市の都市労働力調査失業率は5.4%で、前月より0.1ポイント低下した。 全国の企業の就業者の週平均労働時間は48.7時間であった。

⇒参照・引用元:『中国 統計局』公式サイト「7月份国民经济持续稳定恢复」(07月も国内経済は着実に回復を続けた

面白いのは、中国の海関総署が、2023年03月の輸出金額を下方修正したことです。

Money1でもご紹介しましたが、上掲のとおり、03月の対年々同期比の輸出金額の増加は「+14.8%」だったのですが、これが間違いで「11.4%」に引き下げました。

本件は『Reuters(ロイター)』が報じていますが、記事内で以下のように書いています。

(前略)
エコノミストは予想外に大幅な修正だとしており、今年初めの貿易が当初の見解より弱かった可能性がある。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen氏は、今回の大幅な修正は異例だが、貿易統計や国内総生産(GDP)統計に大きな影響はないとの見方を示した。

その上で「輸出業者が税還付を受けるために実在しない取引をでっち上げたり出荷額を水増ししたりする偽の貿易の取り締まりに絡み、さかのぼって修正した可能性がある」と述べた。

ロイターの算出によると、3月の輸出は国別では米国向けが22億ドル、韓国向けが4億1,290万ドル、日本向けが1億990万ドル、それぞれ下方修正された。
(後略)

⇒参照・引用元:『Reuters』「中国3月輸出、11.4%増に引き下げ 予想外の大幅修正との見方」

中国の統計がいい加減なのは今に始まったことでありませんが、自分に都合の悪い統計を隠蔽しようというのはいただけません。「中国は信用できない国である」ことを自白したようなものです。

(吉田ハンチング@dcp)

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