2022年11月17日、日本の岸田文雄首相と中国の習近平総書記の首脳会談が行われました。
中国の外交部はさっそく「日中で5つの合意があった」とプレスリリースを出しています。
日中両国は、二国間関係の安定と発展のための5つのポイントで合意
2022-11-18 07:33習近平国家主席は現地時間2022年11月17日、タイのバンコクで日本の岸田文雄首相と会談した。 協議の結果、両チームは二国間関係の安定と発展に関する5項目の合意に達しました。
第一に、日中関係の重要性は今も昔も変わっていない。双方は、日中四つの政治文書の原則を共同で堅持し、「相互のパートナーシップと非脅迫」という政治的コンセンサスを実践する。我々は、ハイレベルの接触と対話・コミュニケーションを強化し、政治的相互信頼を継続的に高め、新しい時代の要請に応える建設的で安定した日中関係を構築するために協力する。
第二に、できるだけ早い時期に日中ハイレベル経済対話を新たに開催し、省エネ・環境保護、グリーン開発、医療・健康、高齢者介護の分野で協力を強化し、企業に公平、無差別、予測可能なビジネス環境を共同で提供する。
第三に、今年の日中国交正常化50周年を記念する一連の活動を積極的に評価する。ハイレベル文化交流のための日中協議メカニズムの新ラウンドをできるだけ早く開催する。政府、政党、議会、地域社会、青少年との交流を積極的に行う。
第四に、できるだけ早い時期に防衛部門の海空連絡機構に直通回線を開設し、防衛・海事関連部門の対話とコミュニケーションを強化し、2014年の4項目の原則合意を共同で遵守する。
第五に、国際および地域の平和と繁栄を維持する責任を共同で担い、国際および地域問題における調整と協力を強化し、グローバルな課題に対処するために努力する。
日本のEEZにミサイルを落下させておいて「相互のパートナーシップと非脅迫」などと述べています。中国の考える安定した日中関係とはどのようなものなのかお里が知れるというものです。
「日中ハイレベル経済対話」の構築も入っています。省エネ・環境保護、グリーン開発、医療・健康、高齢者介護の分野で協力を強化となっていますが、「技術をよこせ」という話にならないといいですね。
これに続く「企業に公平、無差別、予測可能なビジネス環境を共同で提供する」はまさに噴飯ものです。
中国共産党の思惑だけでルールがいくらでも変更できる国と「予測可能なビジネス環境」などが構築可能でしょうか。
防衛体制について海空で直通回線を開き、「国際および地域の平和と繁栄を維持する責任を共同で担う」とのこと。中国が負うのは「中国共産党の平和と反映を維持する責任」ですから、日本は独自の防衛努力を続けることになります。
アメリカ合衆国が中国との対立を深める方向ですので、自由主義陣営に属する日本もまた中国に対峙する場面が多くなると覚悟すべきでしょう。もはや中国リスクを取れるような状況ではありません。
(吉田ハンチング@dcp)