日本の「自主防衛コスト」はいくらになる?

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韓国による「GSOMIA」(General Security of Military Information Agreementの略:軍事情報に関する包括的保全協定)の破棄表明によって、アメリカ合衆国軍の朝鮮半島撤退が現実的な選択肢となってきました。

合衆国は、合衆国軍の駐留経費として「50億ドル」の支払いを韓国政府に求めています。これは2019年に韓国が支払った「9億2,300万ドル」から5倍以上の金額であるため、韓国政府は難色を示し、交渉はまとまりそうにありません。

日本には「80億ドルを要求」との報道!

日本も対岸の火事ではなく、2019年11月16日にはトランプ政権から米軍の駐留経費として年間「80億ドル」の支払を要求されていた、という報道が出ました。これはすでに解任された、あのボルトンさんが07月に来日した際に述べたとのこと。

日本政府は即座に「(その金額を)求められてはいない。交渉はこれからでまだ始まってもいない」と報道を(やんわり)否定。しかし、合衆国との現在の協定は2020年度末で期限切れ。2021年度の経費負担交渉は2020年に開始されます。

日本が「自主防衛」を行う際のコストは?

仮に合衆国政府がそのような多大な費用負担を要求してきた場合には、合衆国軍撤退を視野に入れ、「自主防衛」を推進しようという議論も起こるでしょう。

このような議論を行うためには、合衆国軍抜きで自主防衛を行ったときにどのぐらいのコストがかかるのか試算しなければなりません。そのコストが現実的かどうか、米軍に駐留経費を支払った方がコスパが良いのかを判断しなければならないからです。

実は、先行研究としてすでにそのような試算があります。

『コストを試算! 日米同盟解体――国を守るのに、いくらかかるのか』(毎日新聞社,2012年)という本で、防衛大学 国際関係学科の武田康裕教授、同大学 公共政策学科の武藤功教授の共著で、日米同盟と自主防衛の経費比較を行っています。

2012年の本ですので少しデータは古いのですが、専門家お二人の試算によれば、約24兆円~約25兆5,000億円/年が自主防衛のコストとなります。

⇒データ引用元:『コストを試算! 日米同盟解体――国を守るのに、いくらかかるのか』(毎日新聞社,2012年)

日本の国家予算が2020年度には約101兆円ですから、(2012年の試算を当てはめるのは乱暴ですけれども)ざっくり25%が国防費に充てられることになります。

さて、この自主国防経費のコスパをどう判断するかです。皆さんは現実的と思われるでしょうか?

(柏ケミカル@dcp)

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