定点観測です。
2023年09月21日、韓国の関税庁が「2023年09月01~20日の輸出入現況」を公表しました。以下をご覧ください。
2023年09月01~20日
輸出:359億5,600万ドル(9.8%)
輸入:364億4,500万ドル(-1.5%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-4億8,900万ドル2023年01月01日~09月20日
輸出:4,454億5,900万ドル(-10.9%)
輸入:4,697億2,400万ドル(-11.3%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-242億6,500万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「2023年09月01~20日の輸出入現況」
今回の発表で注目したいのは、輸出の対前年同期比の増減「+9.8%」です。
「おっ、輸出が増加に転じたか」と思われるかもしれませんが、これにはカラクリがあります。前年と比較して、今期は営業日日数が「13.0日 ⇒ 15.5日」と2.5日多かっただけです。
操業日数を考慮した1日平均輸出額にすると、同期比較で、
2022年:25.2億ドル
2023年:23.2億ドル
と「-7.9%」です。そのため、韓国がなんとか回復したい輸出は、やはり対前年同期割れで進行していると見なければなりません。
ただ、月央段階で貿易のもうけを示す貿易収支が「-4億8,900万ドル」で済んでいるのはいいことです。
赤字幅が非常に小さく済みました。韓国の場合、貿易黒字は最後の10日間で大きく膨らみますので、このままいけば当月も黒字になる……と期待できるのですが、実は09月28~30日は秋夕の連休でお休みなのです。
営業日数がその分減るわけで、これが月末の輸出にどのくらい影するかが問題です。
問題の半導体と対中国貿易を見てみましょう。
↑黄色のマーカーが半導体輸出。金額は「59億2,900万ドル」で対前年同期比「-14.1%」
↑黄色のマーカーが対中国輸出「75億100万ドル」(-9.0%)、赤いマーカーが対中国輸入「80億500万ドル」(+9.0%)
半導体は「-14.1%」で、いつもよりはマシですが、それでもやはり対前年同期でマイナスです。
面白いのは対中国貿易で、「なんとか中国への輸出を増やさなければ!」と躍起なのですが、対年同期比で「-9.0%」。逆に輸入が「+9.0%」増加しています。
貿易収支は「-5億400万ドル」です。対中国の貿易赤字がまだ続いています。泥沼です。
(吉田ハンチング@dcp)