韓国企業がいかに不景気に陥ったのかの証拠ですのでご紹介しておきます。
2023年10月25日、『韓国銀行』は「2022年の企業経営分析結果」を公表しました(下掲)。
先にこの中から「ゾンビ企業」(営業利益で債務の利子負担を賄えない企業/利子補償比率が100%ミ未満になります)についてご紹介しました。
今回は、2022年に韓国企業の業績、すなわち総売上・営業利益・純利益の各諸元がどうなったのかをご紹介します。
『韓国銀行』によれば、2022年の対前年比で総売上の増加率は「+15.1%」。2021年の「+17.0%」よりも下がりました。
なぜ、対前年比で2021年が17.0%、下がった2022年も15.1%も増加できたかというと、理由は簡単です。コロナ禍に見舞われた2020年に企業の売上が天底まで下がったからです。
いわゆる基底効果というだけのことです。
総資産の増加率も9.7%で、2021年の「12.7%」より低下しました。
売上に対する営業利益の率(営業利益の金額/総売上)は「4.5%」となりました。2021年は「5.6%」だったので、1.1%も下がりました。
売上に対する純利益の率(当期純利益/総売上)は「2021年:6.5%」から「4.6%」に下落。
つまり、2022年は総売上は伸びたものの収益性は悪化したのです。
同時に負債が増加したことは、負債比率(総負債/自己資本)が「2021年:120.3%」から「122.3%」に上昇したことが示しています。
コロナ禍に見舞われた後、家計負債の上昇より遅れて、企業負債が異常に増加したことが反映された結果です。
さらに借入金値への依存度が「2021年:20.2%」から「31.3%」に急上昇しました。この数字は2015年に記録した「31.4%」以来の高水準です。
結論はこうなります。
韓国企業は不景気に見舞われ、収益性が悪化。そのため企業負債を増加させ、借入金への依存度も増加し、企業の安定性も損なわれている。それがゾンビ企業の増加にも現れている――のです。
(吉田ハンチング@dcp)
(柏ケミカル@dcp)