韓国で企業負債が異常に増加している件です。
不景気なのでガラをかわすために韓国企業は資金調達にあの手この手を使っています。2022年10月に『韓国レゴランド』事態(しかも人災)が起こった際には、短期資金調達金利が急騰。
とても社債やCPを発行できる状態ではなくなったため、韓国企業は金融機関からの融資を受けるのに走りました。
以下は国際金融センターが公表している市場金利の推移データから切り出したものです。
↑黄色の蛍光ペンの部分が『韓国レゴランド』の失策の影響を示す部分です。
上掲のとおり、『韓国レゴランド』事態が起こった2022年10月に社債金利(平均)は「5.44%」まで跳ね上がりました。先月と比較して一気に「54bp」も上昇しています。次月には「5.49%」まで上昇。
同様にCP91日物(AA-)も「3.69%」と68bpも急上昇。CPの方は「次月:3.99%」「次々月:4.02%」と上昇を続けたのです。
これは『韓国レゴランド』の人災がいかに資金調達市場に甚大な被害(金利上昇)をもたらしたかの証拠です。
――で、企業は金融機関からの融資に逃げたのですが、一方で金利は徐々に低下したため、社債発行も一息ついて……社債発行による資金調達も進んだのです(融資金利が上昇したことも影響しています)。
2024年に満期を迎える社債発行残高「80兆ウォン」
ここからが今回の本題で、社債の発行残高が積み上がっているのです。
金融投資協会のデータによれば、2024年に満期を迎える社債の規模は「81兆2,309億ウォン」です。
ちなみに2023年は「70兆531億ウォン」ですので、約16.0%も増加しています。
理由は簡単で、コロナ禍で景気が悪くなり、低金利をいいことに企業はお金を借り倒したのです。それを借り換えでしのぎつつ、不景気が継続したのでまた新たに借り入れて……これが積み上がってここまできました。
2024年 社債満期到来金額
第1四半期:21兆7,614億ウォン(37.7%)
第2四半期:27兆8,904億ウォン(11.2%)
第3四半期:19兆3,856億ウォン(19.1%)
※( )内は対前年同期比の増減。第4四半期は対前年同期比で減ります。
山場はいきなり第1四半期で、満期を迎える金額は対前年同期比で「37.7%」も増加しているのです。
償還できなければ、借り換えで凌ぐしかありません。しかし、現在は金利が上がっているのです。どうなるかというと、ロールオーバーしたらしたで金利負担が増加する事態になるのです。債務残高も減りません。
中には、すでにゾンビ企業になっているところもありますから、ロールオーバーで資金を提供したところで不良債権を拡大するだけ――というオチになる可能性もあるのです。
韓国当局はハードクラッシュさせないための施策を講じる必要があるでしょう。企業向けに徳政令を出しますか?
(吉田ハンチング@dcp)