毎月ご紹介しているとおり、韓国の外貨準備高の公表には「金」(Gold)が含まれています。いつも48億ドルで変動しません。
Money1でもご紹介したとおり、『韓国銀行』の外貨準備高の公表数字が時価計算されていないためです。中国も時価計算しているというのに、韓国は頑としてこの「時価計算しないよ」を改めません。
中国の外貨準備の公表では、保有量の「◯万トロイオンス」と公表しており、これが毎月増加しています。直近の2023年12月時点で中国の金の保有量は「約2,235.41トン」(7,187万トロイオンス)です。
では、韓国の保有量はどのくらいなのでしょうか。
ちょうど韓国メディア『NEWSIS』に「『韓国銀行』はもっと金の保有を増やそうよ」という主旨の記事が出ていますので、以下に記事の一部を引いてみます。
19日、『世界金委員会』の報告書によると、『韓国銀行』は昨年末基準で104.4tの金を保有し、世界の中央銀行の中で36位を占めた。
全体の外貨準備額で金が占める割合は1.7%水準だ。
金保有量は、
アメリカ合衆国が8,133.5tで最も多く、
ドイツ(3,352.6t)、
イタリア(2,451.8t)、
フランス(2,436.9t)、
ロシア(2,332.7t)、
中国(2,226.4t)などが続いた。
『韓国銀行』は2011年、他の中央銀行に比べて金保有量が少ないという指摘を受け、積極的に金を購入した。
この影響で、2011年当時14.4tだった金保有量は2013年末、104.4tまで増加した。
しかし、韓国銀が積極的に金を購入した当時、金価格は1オンス当たり1,200~1,900ドルだったが、2013年から下落に転じ、2016年には1,000ドル台まで下落し、金投資に対する批判でその後は金を購入せず、現在保有している金は10年前と同じだ。
(後略)
『韓国銀行』は「104.4トン」しか金を保有していません。
これは、上掲のような経緯のためです。金をもっと保有しろといわれて増やしてみたら、金価格が下がり、今度は批判されるようになりました。そのため「もういいや」と増やすのをやめて……そこから全く保有量が変わっていないのです。
「羹に懲りて膾を吹く」を地でいくような話ですが、まあそういったわけで金の保有量が増えないのです。
(吉田ハンチング@dcp)