韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理が主宰した「第5次国家先端戦略産業委員会」の資料の中に興味深い箇所がありました。
韓国政府が大風呂敷を広げた、例の「622兆ウォンを投資して世界最大規模の半導体メガクラスターを造成する」という件と絡んでいます。
本件は絵に描いた餅です。たとえ、お金が魔法のように湧いてきたとしても(湧いてきませんけれども)、半導体ファウンドリーが消費するだけの水が供給できないのです。
※加えて電力も足りません。尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は原発を新設するとしているのですが、果たして間に合うかどうか。
今回の発表で「興味深い」というのは、資料の中に「水をどうするのか?」について言及した箇所があるのです。以下をご覧ください。
メガクラスターは龍仁地区に造成される予定で、『SKハイニックス』もここに半導体工場を造ろうとしています。着工の遅れによって全然できていません※が、一応「2025年3月、最初の生産施設建設に着手工事期間などを考慮すれば2027年下半期に生産が始まる予定です。
ただし、先にご紹介したとおり「水をいかに確保するか」が問題です。首都圏に近いので、近傍の河川域およびダムから取水するのはもはや限界(京畿道に造成しているのがそもそも「いかがなものか」です)。『SKハイニックス』の新設ファウンドリーは当初「27万5,000トン/日」の水が新たに必要――としていました。
今回のリリースでは「30.8万トン」を確保する――となっていますが、『SKハイニックス』が必要な量を含んだものです。
水が足りないので、『SKハイニックス』は驪州市の南漢江から取水管を通じて龍仁まで持ってくるつもりです(総延長36.9kmと推計されている)。
韓国政府がぶち上げた世界最大規模の半導体メガクラスターは、新規の水需要「約110.8万トン/日」が発生する――としています。このうち「30.8万トン」はなんとかなるとして、残り「80万トン」。
さあ、どこから持ってくる?――なのです。
取水について『SKハイニックス』と驪州は長い間バトルを繰り広げました(合意したのは2022年11月22日)。
(吉田ハンチング@dcp)