2024年04月09日、世界的格付け会社『Fitch(フィッチ)』が中国の格付け(ソブリンリスク)について、「A+」は維持したものの見通し(Outlook)は「ネガティブ」としました。
⇒参照・引用元:『Fitch』公式サイト「Fitch Revises Outlook on China to Negative; Affirms at ‘A+’」
この格付けは「IDR」と呼ばれるものです。
『Fitch』の「IDR(Issuer Default Rating)」は、日本語に訳せば「発行体デフォルト評価」となります。
『Fitch』が提供する信用評価の一種ですが、特定の発行体がその金融債務に対してデフォルト(債務不履行)するリスクを表しています。「長期的」あるいは「短期的」な債務に対する評価があり、
・長期IDRは、主に1年以上の期間にわたる発行体のデフォルトリスクを評価するもので、債券や長期ローンなどの長期金融商品に対して、発行体の信用リスクを示します。
・短期IDRは、1年以内の短期間における発行体のデフォルトリスクに焦点を当てており、CPや短期融資などの短期金融商品に関対するものです。
今回『Fitch』が示したのは「China Long-Term Foreign-Currency Issuer Default Rating」で、中国の発行する長期金融商品に対する格付けで、けっこう重要なものなのです。
中国経済が傾いており、中国に(例えば債券を購入する形で)資金を投入したとしても、利払いと元本償還がきちんと行われるのかよ――は投資家なら誰もが思うところ。
格付けこそ「A+」に据え置いたものの、「償還が長期(Long-Term)」なので、先まで大丈夫なのかが大事ですが――『Fitch』は「うーん……どうでしょう?」としたのです。
これは中国にとっては打撃です。
なぜなら「解放改革を進めているので中国に投資しろ」と習近平総書記を筆頭に、国務院、商務部、外交部など部を問わず、高官の皆さん一丸となって主張しているときだからです。
それだけお金がないわけですが、投資を募っているときに、「いやあ長期投資にはどうでしょう?」という意見表明をされたわけです。
中国財政部が反論!
この『Fitch』の意見表明について、中国の財政部はすかさず以下のように反論を公表しました。記者からの質問に答えたという体になっています。
まあ中身は「『Fitch』の評価は中国の努力を正しく評価していない」というものですが、面白い箇所があるのです。以下に引用していみます。
『Fitch』が中国のソブリン格付けを引き下げたことは遺憾である。
早い段階から『Fitch』の格付けチームと綿密なコミュニケーションをとっており、報告書には中国側の見解も一部反映されている。
しかし、『Fitch』のソブリン格付けの指標システムは、「強度を適度に高め、質を向上させ、効率を高める」という財政政策が経済成長を促進し、その結果、マクロのレバレッジ比率を安定させるというプラスの効果を、将来を見据えた形で効果的に反映できていない。
(後略)
どうも中国当局も信用格付け会社と緊密にネゴネゴしていらっしゃるようです。
まるで南朝鮮のようですね。
ネゴネゴしたのに「格付け下げやがった」という怒りも入っているのでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)