「第22代 国会議員総選挙」(2024年04月10日投開票)が終了してからまだ4日ほどですが、もう左派・進歩系の輩内での罵り合いが始まりました。
「親李在明(イ・ジェミョン)派」 と 「親文在寅派」の戦いです。親文在寅派は、『共に民主党』内に残った人と曹国(チョ・グク)さんの『祖国革新党』支持に回った人を含みます。
『共に民主党』『民主連合』計:175議席
『国民の力』『国民の未来』計:108議席
『祖国革新党』:12議席
『改革新党』:3議席
『新しい未来』:1議席
『進歩党』:1議席
※韓国国会の定数は300議席
上掲が総選挙の結果で、『共に民主党』と衛星政党を合わせて175議席を獲得。曹国(チョ・グク)さんの『祖国革新党』の12議席を加えれば187議席という圧倒的な勢力を得ました。
野党の圧勝といっていい結果で、何をもめるのかと思われるでしょう。
争点はPK(釜山・蔚山・慶尚南道)選挙の結果です。
ソウルなど首都圏で『国民の力』は惨敗しましたが、PK選挙においては善戦し、34議席を獲得しました。ところが、『共に民主党』は5議席しか取れなかったのです。しかも前回の総選挙から2議席減らしました。
なぜこんなことになったのか?――で親李在明(イ・ジェミョン)派と親文在寅派が罵り合いになっているのです。
親李在明(イ・ジェミョン)派としては、「文在寅が表にしゃしゃり出て、選挙に介入した地域じゃないか」「文在寅が姿を見せた地域は全て敗北した」という主張です。
「曹国(チョ・グク)が『200議席を取れば、金建希(キム・ゴンヒ)を法廷に立たせる。大統領を弾劾する』と主張したことが保守勢力の結束を高め、そのせいで負けた」という意見もあります。
そもそも釜山は保守支持が強い地域です。「いくらなんでも左派・進歩系も200議席取らせるわけにはいかない」と抑止効果が働いた――という意味で、もし当たっているなら曹国(チョ・グク)さんが「はしゃぎすぎた」のです。
傑作なのは、『共に民主党』党員の掲示板に「文在寅は売国奴」という悪口まで登場していることです。
一方の、親文在寅派からは、
「そもそも李在明(イ・ジェミョン)あPK((釜山・蔚山・慶尚南道))で左派・進歩系を代表する人物として全く認知されていなかった」
「党に状況に対応する戦略がなかった」
「今年初め、李在明(イ・ジェミョン)代表が『釜山大学病院パッシング』※したときも、政治的判断が全くなかった」
※李在明(イ・ジェミョン)さんが暴漢に襲われて左頸部を損傷したとき、『釜山大学病院』ではなく、ソウルまでヘリで移動。『ソウル大学病院』で治療を受けたことを指す。
「党レベルで敗因分析をするのが先で、前大統領のせいにするのは哀れなことだ」
という反論が出ています。
釜山は、故盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と文在寅さんが共同で弁護士事務所を構えていた街ですから、ここで左派・進歩系が負けるというのは、いいことではありません。しかし、結果は結果。
これまでに何度もご紹介してきましたが、そもそも文在寅さんと李在明(イ・ジェミョン)さんは仲がよくありません。総選挙で『共に民主党』が大勝したとはいえ、早くも両派が罵り合いを始めました。
世にもあほらしく、実に韓国らしい風景です。
(吉田ハンチング@dcp)