2020年02月05日、韓国銀行から2020年01月末時点での韓国の外貨準備高が公表されました。以下のようになっています。
外貨準備高:4,097億ドル(前月末比:約8億ドル増加)
<<内訳>>
⇒Securities 3,784億ドル(約41兆3,894億円)
(証券類)
前月比:66億ドル減少
⇒Deposit 203億ドル(約2兆2,204億円)
(預金)
前月比:74億ドル増加
⇒SDRs 33億ドル(約3,610億円)
(IMFのSDR(特別引出権)
前月比:1億ドル減少
⇒IMF position 28億ドル(約3,063億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:変わらず
⇒Gold 48億ドル(約5,250億円)
(金)
前月比:変わらず
※円換算は2020年02月05日「1ドル=109.38円」のレートで算出
⇒データ引用元:『韓国銀行』「Korea’s Official Foreign Reserves(As of the end of January 2020)」
http://www.bok.or.kr/viewer/skin/doc.html?fn=202002040543204140.hwp&rs=/webview/result/E0000634/202002
12月末時点では前月比で現金たるDeposit(預金)が73億ドルも減少していたのですが、01月末は74億ドル増加しました。
「12月⇒翌年01月」でDeposit(預金)が増加するというのは韓国の傾向のようで、ここ5年を見ると、
2015年12月 ⇒ 2016年01月:82億ドル増加
2016年12月 ⇒ 2017年01月:73億ドル増加
2017年12月 ⇒ 2018年01月:28億ドル減少
2018年12月 ⇒ 2019年01月:12億ドル増加
2019年12月 ⇒ 2020年01月:74億ドル増加
となります。減少したのは「2017年⇒2018年」だけで、他は増加。しかも「82億ドル」「73億ドル」、今回の「74億ドル」と増加額が大きいのが特徴です。
12月決済のドルがドンと入ってくるのか、それともドル需要を満たすために債券を売り飛ばすためなのか、それは不明ですがDeposit(預金)はここで大きく動くのが近年の傾向です。
気になるのは、このDeposit(預金)の中身が何か?です。「外貨」なので別に合衆国ドルでなくても構いません。韓国は今や中国との貿易額が一番大きくなっています。「元」で保有している量が多くなっているということはないでしょうか。
また当月はSecurities(証券類)が66億ドルも減少しています。
先にご紹介したとおり、アメリカ合衆国財務省の発表によれば、10月末から11月末にかけて韓国は合衆国公債を増加させてはいませんでした。緊急時に役立つのはなんといっても現金に換えやすい(担保にしやすい)合衆国公債です。
ここ数カ月、韓国の外貨準備高はSecurities(証券類)を大幅に増やして金額を積み増してきました。これが「韓国の外貨準備高、過去最高を更新!」の報道になってきたわけです。しかし、「10月末⇒11月末」だけ見ても、
Securities(証券類):27億ドル増加
合衆国公債:増加額0
というのは何かヘンではないでしょうか? 先の記事でも触れましたが「では、増加したこの27億ドル分のSecurities(証券類)は一体何なの?」と疑問を持つのは当然ですね。
韓国が合衆国公債をどれほど保有しているかは、合衆国財務省が公表してくれます。果たして2019年12月末には、いかほどだったのか確認してみましょう(公表はおよそ40日後)。興味深い結果になるかもしれません。
(柏ケミカル@dcp)