南朝鮮「1997年通貨危機」でいくらかかったか 「20兆円を超えたのでは」という話

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1997年に起こった「アジア通貨危機」では韓国もドボンになり、IMFからの支援を受けました。支援と引き換えに様々な改革が行われ韓国経済は大きなダメージを受けた――と知られていますが、いまだに韓国ではこのときの痛みが忘れられてはいません。

何か経済的苦境の兆しが現れると「すわIMF危機の再来か」なんて身構えます。その上、韓国経済を救うために資金を提供したIMFのことを「死神」と呼ぶなど、IMF支援が入る事態になることを恐れてもいるのです。

では、1997年の韓国の危機を救うためにいくらかかったのでしょうか。この計算はけっこう厄介です。まず、国際機関が行った支援パッケージです。

先にアラン・グリーンスパン元FRB議長が回顧録に記した「550億ドル」を引きましたが、これは以下のような内訳でした。

IMF:210億ドル
世界銀行:100億ドル
アジア開発銀行:40億ドル
日本:100億ドル
アメリカ合衆国:50億ドル
イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリア:50億ドル
計:550億ドル

ただし、これにイタリアなどが参加して拡大して融資総額は「570億ドル」に達しました。ですから支援金額を調べると多くの場合「550億ドル以上」となっています。

海外からの融資だけではなく、韓国国民から(Gold)を拠出する運動が起こり、これなども韓国経済の復興に使われたお金にカウントしなければならないでしょう。この運動で集められた金は約22億ドルになったといわれています(金額には諸説あります)。

また、一般には認知されない(されにくい)巨額の資金が投入されてもいます。例えば、高安雄一先生が「韓国の世界金融危機への対応と展望」では、

そして公的資金としてGDPの30%にも相当する150兆ウォンを調達してこれを余さず投入した結果、不良債権比率は着実に低下して、2007年末には厳格な国際基準を適用しても1%を切る水準にまで下落した

⇒参照・引用元:『ERINA REPORT Vol.91 2010 JANUARY』「韓国の世界金融危機への対応と展望」p.38

と、それまで脆弱(ぜいじゃく)であった金融機関の基盤を整えるために途方もない金額が投入されたと分析されています。150兆ウォンといえば、当時の平均レート(1998-2007年)で計算すると1,325億ドルです。

もちろんそのような目に遭ったのも、韓国が採用している「健全」と判断する基準が国際基準に照らして甘く、その上不良債権を過小に計上していたためなのですが。

というわけで国際機関の支援パッケージだけではなく、韓国国民・政府が拠出・投入した金額を正確に合算することはなかなか困難です(上掲の金額だけ足し込んでも1,917億ドルに達します:日本にすればざっくり「1ドル=109円」で20兆円を超えるのです)。

先に「1997年の通貨危機時に支援されたお金をざっくり550億ドル」として対GDPで……といった計算をしましたが、実際にはそんなものでは済まないのです。いったん通貨危機に陥ると、立て直すのに莫大なお金が必要になるというわけです。

ちなみに、日本は国として独自に100億ドルを融資していますが、IMFや世界銀行、アジア開発銀行にだって出資していますからね。1997年の韓国の通貨危機時にお金を最大限融通したのは間違いなく日本のはずです。

(柏ケミカル@dcp)

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