2024年06月11日、『韓国銀行』が「2024年04月の国際収支統計」を公表しました。当月は非常に興味深い特徴があるのです。
Money1でも適時にご紹介してきた「誤差脱漏」についてです。見ていただいた方が早いので、以下をご覧ください。
↑黄色の蛍光ペンでフォーカスしてあるのが「2024年04月の誤差脱漏」です。単位は100万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
誤差脱漏(Errors and omissions)は、簡単にいうと「数字が合わねえぞ」というときに使われる計上項目です。
国際収支統計は、1国の「外国との取引」を網羅しようという統計なので、どうしても誤差が出ます。そんなときには「誤差脱漏」に入れるのです。この誤差脱漏では、
プラス:「なんだか分からんがお金が入ってきてた」
マイナス:「なんだか分からんがお金が出ていってた」
となります。
先にご紹介したとおり、中国はこの誤差脱漏がたいていマイナスで巨額になります。つまり、「なんだかよく分からんが、巨額のお金が出ていってました」が普通、というおっかしな国なのです(例えば以下の先記事をご覧ください)。
計上したくない「お金」を誤差脱漏の項目を使って誤摩化してるんじゃあるまいな――というのが、中国の国際収支統計に対する疑念の一つです。
中国はともかく、上掲の韓国の04月の誤差脱漏を見てください。「-63億5,800万ドル」も計上されています。
つまり、「63億5,800万ドルも数字が合いませんでした」であり、「なんだか分からんが63億5,800万ドルもお金が出ていってました」なのです。
この巨額は異常です。
どのくらい異常かというと、1980年01月から2024年04月までの誤差脱漏の金額(月次)を洗ってみると、これが最大の資金流出額です。4年4カ月の中で最大なのです。
04月は、なぜこんなに数字が合わなかったのでしょうか? お金はどこに行ったのでしょうか?
(吉田ハンチング@dcp)