発展途上国である韓国は海外からの投資を呼び込む必要があります。しかし実際には、外国人が韓国に投資する金額は減少傾向にあります。特に2018年から2019年の減り具合は激減といってよいレベルです。
韓国の産業通商資源部が公表した「2019年の外国人直接投資動向」(申告ベース、速報値)のデータを見ると以下のようになります。
2019年の外国人の対(韓国)内直接投資額は通年で233億2,900万ドル。前年2018年の269億100万ドルと比較して13.3%の減少です。「%」で表記するとあまり減っていないと感じるかもしれませんが、35.7億ドル(ざっくり109円で計算しても約3,891億円)も減っていますからただごとではありません。
投資先の業種でいえば「製造業」が半分を占めるのですが、それが対前年比で18.2%減少。製造業の中のこれまた半分が「部品素材」業種への投資ですが、こちらも23.6%減少しています。
国・地域別に対前年比で見ると主なところは以下のようになります。
2019年通年投資金額
アメリカ合衆国 68.42億ドル:16.4%増加
日本 14.3億ドル:9.9%増加
EU 71.3億ドル:20.1%減少
中国 9.82億ドル:64.2%減少
(中華圏では 43.14億ドル:27.8%減少)
その他の地域 36.12億ドル:25.1%減少
「あれ日本が増加している?」と思われるかもしれませんが、実は日本は2018年の段階で対前年比29.4%も韓国への投資金額を減少させていたのです。
「申告」するのと、実際に投資され「到着」するのは違うよ
また、この「申告ベース」というのがくせ者で、これだけ投資するよ!と「申告」したのと実際に「到着」した金額は異なっているのです。
例えば、合衆国は上掲のとおり「68億ドル」の申告でしたが実際に到着したのは「14億ドル」に過ぎず、申告額と比較するとなんと79%の減少。
日本も同様で到着したのは「10億ドル」で29%減少。
中国はもっと露骨で申告「9.82億ドル」に対して到着金額「2億ドル」と80%も減少しているのです。
つまり韓国という国は、2018-2019年にかけて外国人からは「投資に向かない国」と見られるようになり、それは実際の投資行動にも露骨に現れたということです。
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』「FDI pledged to Korea reach $20 billion five years in a row」
http://english.motie.go.kr/en/pc/pressreleases/bbs/bbsView.do?bbs_seq_n=760&bbs_cd_n=2¤tPage=1&search_key_n=&search_val_v=&cate_n=
※英語で外国人直接投資は「foreign direct investments」で「FDI」と略します。
追記その02
韓国に対する投資は2019年には上記のように大変冴えないものでした。しかし、それだけではなく韓国経済の屋台骨を支える輸出産業の輸出金額も2019年には激減しているのです。以下の記事も併せてお読みいただければ幸いです。
追記・修正その01
中国・中華圏・その他の通年投資金額(申告)、また中国の到着金額に誤りがあったので修正いたしました。誠に申し訳ありませんでした。
(柏ケミカル@dcp)