2024年06月28日、中国の国家外貨管理局が2024年第1四半期の国際収支統計を公表しています。以下をご覧ください。
2024年第1四半期
貿易収支:1,213億ドル
サービス収支:-612億ドル
第1次所得収支:-243億ドル
第2次所得収支:34億ドル
経常収支(上記4つの合計):392億ドル
中国は貿易収支で「1,213億ドル」の巨額黒字を出していますが、サービス収支で大きな赤字、外国からの所得を計上する第1次所得収支でも赤字、第2次所得収支がうっすい黒字で、経常収支は「392億ドル」しかありません。
中国は韓国と同じで、貿易収支が十分に大きな黒字でないと経常収支が黒字にはならない構造になっているのです。
中国の経常収支の金額を1998年第1四半期から2024年第1四半期までの推移を見ると以下のようになります(四半期ごと)。
経常収支の直近最高値は、2022年第3四半期の1,515億ドル。
それが2024年第1四半期には「392億ドル」ですから、6四半期で中国の経常収支は25.9%に縮小しました。
つまり経常収支は、ほぼ3/4が消失したのです。
次に、中国が頼みとしている貿易収支の推移を見てみましょう。以下が同様に「1998年第1四半期から2024年第1四半期まで」の貿易収支推移です。
貿易収支の直近最高値は、2022年第3四半期の「1,960億ドル」。直近の2024年第1四半期が「1,213億ドル」ですから、約38.1%減少です。
コロナロックダウン明けの同期(第1四半期)で貿易収支を比較してみると、以下のようになります。
中国にとって最重要の貿易収支は減少しています。
中国当局は、中国の輸出は順調に回復しており……と述べていますが、問題はそれで黒字になっているのか(儲かっているのか/外貨が積めているのか)です。上掲のとおり黒字は減少しています。
中国経済は間違いなく弱っているのです。
(柏ケミカル@dcp)