韓国『現代自動車』むしろ営業利益は減った-0.7%。「自動車好調」は本当に?

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2024年07月25日、韓国の『現代自動車』が「2024年第2四半期の業績」を公示しました。これを受けて、韓国メディアが一斉にアーニングサプライズだと喜びの記事を出しています。

まず、公示された業績は以下です。

2024年第2四半期
売上高;45兆205億8,100万ウォン6.6%
営業利益:4兆2,791億3,600万ウォン0.7%
当期純利益:4兆1,739億ウォン24.7%

( )内は対前年同期比の増減
『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト

韓国メディアで「営業利益が20%増加した」と報じているところがありますが、それは第1四半期と比較した「対前期比」での話。こういうときは対前年同期比で比べないといけません。

上掲のとおり、売上高は対前年同期比で「6.6%増加」しているのに、営業利益は「0.7%増加」であまり変わりません。

当期純利益が「対前年同期比で24.7%増加した。自動車は好調だ」と書いているメディアもありますが、本業での利益を示す「営業利益」が0.7%しか増えていないのですから、「自動車の製造販売が好調」とはいえないでしょう。

本業以外のところで利益を伸ばしたわけですから。

01~06月累計、すなわち上半期で業績をまとめてみると、もっと面白いことが分かります。以下をご覧ください。

2024年上半期
総売上:85兆6,791億2,000万ウォン7.1%
営業利益:7兆8,364億9,800万ウォン-0.7%
当期純利益:7兆5,499億100万ウォン11.6%

総売上は「7.1%増加」しているのに、「営業利益」は対前年同期比で「0.7%減少」。本業での利益は実は減っているのです。

これで「自動車は好調」といえるのでしょうか。

営業利益率(営業利益/総売上)を計算してみると、以下のようになります。

営業利益率比較
2023年第2四半期:10.1%
2024年第2四半期:9.5%

上半期で比較すると以下のようになります。

営業利益率比較
2023年第2四半期:9.9%
2024年第2四半期:9.1%

2023年と2024年で比較すると、四半期ベースで「-0.6%ポイント」2四半期ベースで「-0.7%ポイント」です。

第2小数点以下を四捨五入していますので単純に引き算しても合いません。

営業利益率で減少しているので、『現代自動車』は「本業でもうける力が昨年より弱っている」ことを意味しています。

さあ喜んでいる場合でしょうか? 本業でもうける力が弱って、実際に営業利益の額は減少しているのです。減った以上に「本業以外でお金が入ってきたから純利益が増えた」のです。

では、その「本業以外のお金」というのは何で、いくら入ってきたのでしょうか? 貸借対照表などの資料が公示されていないので中身は分かりません。しかし、この決算発表を見る限り「自動車は好調」という話を素直に信じることはできません。

(吉田ハンチング@dcp)

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