韓国メディア『朝鮮日報』が「ヨーロッパの代表的な親中国国家であるセルビアが、老朽化したミグ-29の代替戦闘機としてフランス製のラファールを選択したことで、中国が不満を募らせている」と報じています。
「4分の1の値段なのに買わない…中国戦闘機、親中国国家も無視した理由」という刺激的なタイトルです。
中国語のSNS上では「性能も同等で、価格は4倍も安いのに、どうして鉄のように堅い同盟国がラファールを選ぶのか」という投稿まである――のだそうです。
韓国メディアお得意の「後頭部を殴られた」という記事で、この場合は「中国が同盟国セルビアに後頭部を殴られた」と言いたいわけです。
2024年08月29日、フランスのマクロン大統領はセルビアを訪問。アレクサンダル・ブチッチ大統領と首脳会談を行いました。同日、セルビアはフランス製のラファール戦闘機を12機購入する契約を締結したと公表。
※12機で27億ユーロ(約30億ドル)の契約とのこと。1機当たり約2億5,000万ドルです。2028年から導入されて現在使っているミグ-29は全て退役する予定です。
フランス製戦闘機ラファールの人気が盛り上がっています。
2023年末には、サウジアラビアがラファールの購入を決定しました。
韓国の次期主力戦闘機KF-21の開発計画に参加していたはずのインドネシアも、KF-21ポラメを「いらね」と袖にしてラファールを購入することにしました。
中国側は、セルビアが親中国なので、中国産のJ-10Cを買ってくれると期待していたようですが……実りませんでした。
2024年08月27日には、タイがスウェーデン製の戦闘機「JAS-39 グリペンE」の購入を決めています。F-16A/Bの置き換え用です。
こちらも秋波を送っていた中国製戦闘機を蹴っ飛ばしました。
中国製ジェットエンジンの性能と信頼性に問題があって、中国戦闘機が忌避されているのではないか――と推測が出ています。
↑中国が親中国な国に売っていきたいJ-10C。1機当たり6,000万ドル程度という話。
以前よりはマシになったのですが、それでも出力の持続性、燃料効率などの面で問題があるそうです。
F-15とF-16、J-10Cを乗り比べたパキスタン空軍パイロットが、ある軍事専門誌に寄稿した文によると、中国製のJ-10Cは「レーダー検出能力も良く機動性も大丈夫だが、武装搭載量が少なく出力が突然落ちる問題がある」とし「より強力なエンジンに交換しなければ問題は解決しないだろう」――と述べているとのこと(『朝鮮日報』報道による)。
他にも武装搭載量が少ないなども問題と指摘されていますが、大本のエンジンの信頼性が低いのであれば、ナニを積むか以前の問題です。
中国産J-10Cが1機当たり約6,000万ドルで、フランス産ラファールが1機当たり約2億5,000万ドルという話が本当であれば、確かに中国産は1/4の価格です。
それでも売れないのは、みんな「安物買いの銭失い」を恐れているからではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)