※申し訳ありません。長い記事になってしまいました。
韓国通貨当局も意識しているといわれる「1ドル=1,200ウォン」を突破し、どこまで通貨安が進行するのかと注視されている韓国通貨「ウォン」。2020年02月21日(金)が締まりました。ローソク足1本が1日の値動きを示す「日足」で見たドルウォンチャートは以下のようになります(チャートは『Investing.com』より引用)。
一時は「1ドル=1,214.90ウォン」まで達したのですが、さすがにウォン高方向への戻しも強力でテッペンから約8ウォンも押し返され、「1ドル=1,207.07」で決着となりました。
しかし、重要なのは「陽線(チャートを上昇するローソク足のことです)」で終わった、つまり「日足の実体線でウォン安進行を確定させた」という点です。終値が始値より終値が安く、陰線になってしまうのとではテクニカル的にも意味は全く違ってきます。
まず、先の記事の続きの時間帯を、ローソク足1本が1分間の値動きを示す「1分足」で見てみます。
日本時間で22日に日付が変わるころから(つまりアメリカ時間初動)ウォン高方向への急降下が始まっています。実はこのポイントはDXY指数(ドル指数)が急降下を始めた時間帯と一致しているのです。
DXYが示すとおり、ドルの価値が弱まり、相対的に他の通貨の価値が上がるという現象が起こったわけです(DXYは複数の通貨から組成されるので当然ですし、その意味ではむしろ因果関係は逆なのですが)。
同じ時間帯の人民元(オフショア:CNH)の対ドルチャートを以下に出してみます。
同様に急落(通貨高方向への急進行)が起こっていることがお分かりいただけるでしょう。人民元はともかく、21日(金)全体のドルウォンの値動きを1分足で見ると以下のようになります。
始値およそ「1ドル=1,204ウォン」ですが、いったんはおよそ「1,203ウォン」まで下がります(ウォン高が進行します)。
しかし、徐々に下値を切り上げておよそ「1ドル=1,204.50ウォン」で底を固めた後、ウォン安トレンドが急速に強まります。17時過ぎに天井圏を形成。しかし、その後はウォン高方向へ。この天井圏を形成した時間帯は「ヘッド&ショルダー」になりました。
およそ「1ドル=1,209.50ウォン」で値を立て直し、再度上昇(ウォン安進行)。ところが上値約「1,213ウォン」のレンジとなり、停滞の時間帯へ。
下へレンジブレイクしておよそ「1ドル=1,207ウォン」まで急落。ここを底として一時はおよそ「1ドル=1,210.50ウォン」まで戻すのですが、そこで力尽きてウォン高方向へ反転。
結局、およそ「1ドル=1,207ウォン」まで戻し、21日は終幕となりました。
21日が終わり、これで2020年02月の第3週が締まりました。ローソク足1本が1週間の値動きを示す「週足」で見てみましょう。
このように02月第3週は非常に力強い陽線となりました。21日の日足を見て「ウォン安トレンドもここまでか」と思われた人もいらっしゃるでしょう。しかし、上掲の週足を見ると「あれ。まだイケるんじゃないか」と感じたりするのではないでしょうか。
そうなのです。相場のチャートというのは、時間軸を変えてみると全く別の風景が広がっていたりするものなのです。これもチャートの面白い点です。
週足では「決してウォン安トレンドが終わったわけではないし、終わったななんて断言できない」と見えるわけですが、長い上ヒゲが出ている点から「これ以上のウォン安進行には強い抵抗があること」も分かります。
02月第4週は02月25日(月)から。日本は祝日でお休みですが世界は動いています。果たしてドルウォンはどのように動くでしょうか?
追記・特報
2020年02月24日(月)の市場が開きましたが、一気に約11ウォンもウォン安が進行する緊急事態となりました。24日(月)初動を以下の記事にまとめました。併せてお読みいただければ幸いです。
(柏ケミカル@dcp)