中国・河南省で大干ばつ。

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台風6号が南部で被害をもたらし、北京では大雨・ダム放流で大水害――と2025年も水難に見舞われている中国ですが、一方で干ばつも発生しています。

特に河南省では大干ばつです。中国語メディアでは「2023年の同時期の『大雨』と比較すると、今年07月の河南省東部の降水量は90%近く減少し、約10年ぶりの「首を絞めるほどの干ばつ」となった」――と報じています。


↑河南省は中国中央部の黄河流域にある省。中国文明の発祥地とされていますが、大干ばつに見舞われています。まずいことに河南省は穀倉地帯。穀物の収穫に悪影響を及ぼすことが予想されます。

2025年08月01日、河南省水利庁が衝撃的なデータを公表しました。

全省の95%の地域で07月の降雨量が10ミリ未満で、平頂山・南陽などの11市では一滴の雨も降りませんでした。

農業情勢の調査によれば、全省の旱害面積は1万7,800平方キロに達しています。

農民がいかに困っているのかの投稿が水利庁の公式ホームページに投稿されています。例えば以下は07月18日のものです。

農村の農地灌漑用水井に関する相談
提出日時:2025年7月18日

相談内容
私は周口市鹿邑県高集郷許閣村の者です。ここ数年、干ばつの天候が深刻であり、頻繁に干ばつ対策として灌漑を行う必要があります。

現在、私たちの村の農地における干ばつ対策用の灌漑は非常に困難であり、深刻に私たちの村の農地の穀物収量に影響を及ぼし、村民の収入にも影響を与えています。干ばつ対策用水については、以下の問題があります:

灌漑用の水井の数が少なく、私たちの村の農地を効果的にカバーできていません。

灌漑用の水井はあるものの、依然として伝統的な農業用の燃料三輪車または四輪トラクターを使って水ポンプを稼働させて灌漑する方法であり、水利施設の改修は行われていません。

現在、農業に従事しているのは大多数が村に残っている高齢者であり、伝統的な燃料三輪車や四輪トラクターで水ポンプを動かして干ばつ対策の灌漑を行うことは、操作が難しく、効率が低く、コストが高いという問題があります。
(後略)

⇒参照・引用元:『中国 河南省水利庁』公式サイト「关于农村农田灌溉水井问题的咨询」

河南省の応急管理局は給水に乗り出していますが、干ばつ被害の面積が大きいので十分な対処とはなっていません。

当局は以下のようなプレスリリースを出しています。

周口市は毎年、穀物総生産量が省内でも上位にあり、河南省ひいては全国にとって重要な穀物生産基地である。

現在、秋作物の生育にとって鍵となる時期を迎えており、継続する高温・少雨の天候が河南省周口市に深刻な干ばつの試練をもたらし、現地の農業生産と住民生活に一定の影響を及ぼしている。

河南省応急管理庁、国家消防救援局河南機動隊と連携し、干ばつ対策と秋作物保護の総力戦を展開

干ばつに効果的に対処し、秋作物の安定生産を確保し、干ばつによる損失を最大限に抑えるため、河南省応急管理庁は国家消防救援局河南機動隊と連携し、08月01日、20人余りの人員、大容量排水車、水ポンプなどの車両・装備を緊急出動させ、周口市での干ばつ対策用の送水活動を展開した。

関係責任者によると、今回の送水計画は03日から5日間継続され、1時間あたり約4,000立方メートルの水を送る予定であり、沿線6つの行政村、32の自然村、約1万9,000ムー(約1,267ヘクタール)の農地の干ばつ対策用水需要を満たすことができる。
(後略)

⇒参照・引用元:『中国 河南省応急管理局』公式サイト「河南省应急管理厅联合国家消防救援局河南机动队伍打好抗旱保秋攻坚战」

洪水に見舞われる地域がある一方で、深刻な水不足も発生しています。しかも「穀倉地帯で」です。

穀物の収穫が減少しないように、当局は必死の対応をしていますが、どこまで効くでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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