台湾メディアでは「宇宙一の不動産屋」と呼ばれる中国『エバーグランデ』(Evergrande Group:恒大集団)ですが、「2021年02月18~28日は25%割引セール」を実施すると発表しました。
『エバーグランデ』は、2020年09月07日から1カ月間、全ての物件を3割引というセールを行ったことで日本でも(少しは)有名になりましたが、同社は中国でも5本の指に入る最大手の不動産開発ディベロッパーです。
同グループ会長の許家印さんは、2020年03月31日に社内会議で2020年の売上目標を「6,500億元」(約10兆5,634億円)、2022年には「1兆元(約16兆2,500億円)を超える」としました。「3割引セール」の効果もあり、2020年には「7,233億元」(約11兆7,547億円)の売上を達成しています。
これだけ聞くと、スゴイ企業だと思われるかもしれませんが、『エバーグランデ』は2020年06月時点で「8,355億元」(約13兆5,456億円)もの有利子負債を抱えていることが判明しています(内部文書流出で発覚)。このため、2020年にはグループ企業も含めて株式・債券が暴落するという事態となりました。
同社は本当に資金繰りが危うい企業なのです。今回の「25%割引セール」でも売上は大きくなるかもしれませんが、問題は「利益」です。借金依存体質の財務状況を改善するだけの利益が出ているのかははなはだ疑問です。
これだけ巨大な債務を抱えた会社が飛ぶと、その被害は甚大なものになります。ですので、2020年は、中国共産党、広東省も同社を「大きすぎて潰せない」扱いをしました。
中国の企業は大きくなればなるほど、こんなのばっかりです。ガワは立派に見えるかもしれませんが、中身は巨大な債務を抱えていつデフォルト騒動を起こすか知れたものではありません。
(吉田ハンチング@dcp)