Money1でも先にご紹介したとおり、中国共産党政府は人民に対して緊縮生活を指導しています。

上掲の記事でご紹介しましたが、2025年05月18日に中共中央政治局会議で審議・承認された「党政机关厉行节约反对浪费条例」です。
要するに「節約の徹底と無駄遣いの防止」を謳った条例ですが、もう何度だっていいますが。これは逆効果です。
中国は韓国を上回るどん底景気ですが、政府がやらなければならないのはお金をまくことです。民間セクターでお金が回らないのであれば、政府がお金を使うしかありません。
実はこの点に中国の根本的な駄目ポイントがあります。いくらお金をまいてもまったく効かないのです。流動性をじゃぶじゃぶ増やしているのに景気が全然上向きません。
他に類を見ない底なし沼のようなものなのです。
――で、2025年08月12日、御用新聞『新華社』が傑作な社説を出しました。
中国共産党の指導「緊縮」を形骸化させてはならない――というのです。
以下に一部を引いてみます。
改訂された『党政機関厳格倹約・浪費反対条例』が施行されて以来、党政機関が率先して緊縮生活を送るための「ボルト」がさらに締め付けられた。
同時に、「愚痴」にも似た声が時折聞こえてくる。
すなわち、党政機関の緊縮生活を、幹部の業務効率向上や民衆を豊かに導くこと、大胆な消費拡大と対立させる見方である。
これらの見方は弁証法的に捉える必要がある。
あるものは緊縮生活に対する認識の偏りや誤読であり、認識を正す必要がある。またあるものは、一部地域での『条例』の実施に形骸化傾向が見られ、速やかな是正が求められる。
(中略)
党と政府が率先して緊縮生活を送るのは、人民大衆がより良い暮らしを送るためであり、これはわが党の宗旨と性質が決定するものである。
わが国がどのような発展段階に達しようとも、人民生活がいかに改善されようとも、艱苦奮闘・勤倹節約の思想は永遠に失ってはならない。
緊縮生活を「寝そべり(無為の状態)」の口実として業務効率と対立させるのは、「緊縮」の意味を忘れたものである。
緊縮生活を大衆の「ベルトを締め上げる」こととし、民衆の豊かな暮らしと対立させるのは、「緊縮」の方向を誤ったものである。
緊縮生活を業界経済に影響する要因とし、消費拡大と対立させるのは、「緊縮」の目的を見落としたものである。
厳格倹約・浪費反対は我が党の光栄ある伝統であり、優良な作風である。
緊縮生活は堂々と、旗幟鮮明に貫き通さねばならず、わずかな疑いも否定もあってはならない。
同時に明確に認識すべきは、緊縮生活の鍵は贅沢浪費の行為を抑制し、不要不急の支出を削減することであり、決して下へ負担を押し付けたり、外部へ転嫁することではない。
(後略)出典:『新華社』「过紧日子要防止执行走样(緊縮生活の実行が形骸化しないよう防ぐ)」
「弁証法的に捉える必要がある」など、見どころ多数の大笑いな文章ですが、「中略」以降の、「後略」までの文章はまさに絶叫に近いです。
ズタボロになってしまって経済の中、「緊縮生活」を送らざるを得なくなった人民の怨嗟の声をかわすため、中国共産党による「緊縮生活」の政治的正当化するための文章です。
一番簡単なのは、中国共産党の支配が終わることです。これが合理的な経済システムを導入するための最良の一手ですが、自分たちが吊るされないように、中国共産党自身ではこれができません。
そのため、愚痴など言うな、緊縮生活こそが幸せなことなのだ――と人民をだまくらかそうとしているのです。
そうなのです。中国共産党はだんだん北朝鮮に似てきました。
(吉田ハンチング@dcp)






