中国では「なぜこうなる」という災厄案件が続いています。先にご紹介した四川省の「紅旗橋」崩落もそうですが、今度は大火事です。

江蘇省蘇州市張家港市鳳凰鎮にある「永慶寺」の文昌閣が炎上し、丸焼けとなりました。

↑在りし日の「永慶寺の文昌閣」。歴史ある古刹に見えますが、実は「そう見えるでしょう」というインチキ建造物です(後述)。
この文昌閣はお寺というより、日本のお城の天守閣みたいな見た目(三層構造の楼閣)ですが、これが2025年11月12日11:24頃に出火。瞬く間に大火に呑み込まれました。

↑炎上する文昌閣。黒澤映画『乱』みたいな光景になりました。
すっかり火に包まれた文昌閣は丸焼けとなりました。

↑丸焼けでコンクリ造りの基礎部分だけが残りました。
この大火について「1500年の歴史を持つ古刹が……」と書かれていたりしますが、大ウソです。
張家港市人民政府の公式サイトによると――、
「歴史上の永慶寺」は東呉・赤烏年間に初めて建てられ、南朝・梁武帝大同二年(536年)に侍御司の陸孝本が自宅を寄進して拡張したことで名声が一気に広まった。
今日までに1500年以上の歴史を持ち、「南朝四百八十寺」の一つとされる。明・清の両朝において6度の修繕が行われ、寺域が最大で86ムーに達した時期もあった。
――なんて書かれていますが、そもそもの永慶寺と今回文昌閣が大火に見舞われた永慶寺は実はつながっていません。
なぜなら、中華人民共和国成立後の宗教弾圧で1958年に破壊され、寺は廃寺・僧侶は追放される――という憂き目に遭っているからです。
文昌閣は2008年に新築された「古刹のフリをした」建築物で、実は竣工から20年もたっていないのです。
※永慶寺は1993年に再建された――とされています。
歴史のあるフリをしたインチキな楼閣が火事で丸焼けになりました――というのが本当のところです。
火事の原因ですが、「観光客が線香やろうそくを不用意に使用したこと」と報じられています。
(吉田ハンチング@dcp)






