2025年11月14日、韓国の大統領室が記者ブリーフィングを開催。対米関税交渉における「共同ファクトシートについての説明」を行いました。

↑「共同ファクトシート」についての説明で、腰巾着の大統領室長2名を従えて表に出てきた李在明(イ・ジェミョン)さん。
これまで腰巾着の皆さんに説明させ、自分は表に出なかった李在明(イ・ジェミョン)さんもその場にいました。
韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんは、文在寅と同じく「自分にとって都合の悪い公表」の際は絶対に矢面に立たないという小賢しい人物です(その上、生来のウソつきで前科四犯)。

↑なに笑てんねんという写真ですが、李在明(イ・ジェミョン)さんにとっては「難しい対米交渉をまとめたオレ」を披露するハレの場なのです。だから表に出てきたのです。
金容範(キム·ヨンボム)大統領室政策室長が共同ファクトシートについていかに説明したのかは先記事でご紹介しました(大統領室が公開した全文和訳ですので詳細に知りたい方は以下をご覧ください)。

大統領室はかねてより「農業については市場開放から守った」と主張してきたのですが、ファクトシートの方に何と書かれているかというと――、
農産物:
両国は、既存協定の履行、バイオ作物承認の迅速化、合衆国食品申請の滞留解消、合衆国園芸作物専用窓口の設置、特定名称を使用する合衆国産肉製品・チーズの韓国市場へのアクセスを確保する。
――とだけ書いてあります。
確かに「韓国市場を開放する」と書かれていませんが、逆に「韓国農業市場を守る」とも書かれていません。
これが、金容範(キム·ヨンボム)政策室長が述べた「米、牛肉などわが国農業の敏感性を考慮し、追加市場開放は盛り込まず、両国間の協力と疎通を強化する方向で合意しました」です。
つまり、このファクトシートでは「踏み込まなかっただけ」で、火種は残っています。
なにせラトニック商務長官は『X』への投稿で「韓国は市場を100%開放する」と述べていましたので、この点についてはまだ揉めている――と考えるべきです。
例えば、
バイオ作物承認の迅速化
合衆国食品申請の滞留解消
合衆国園芸作物専用窓口の設置
特定名称を使用する合衆国産肉製品・チーズの韓国市場へのアクセス
を確保する――と約束したわけで、合衆国がこの点を押し切ったのです。
最後の「特定名称を使用する合衆国産肉製品・チーズの韓国市場へのアクセス」は説明がいります。「特定名称を使用する合衆国産の肉製品・チーズ」って何よ?――と思われるでしょう。
これは合衆国とEUが揉めている点とも関係しています。
具体的な名称でいうと、例えば「Parmesan(パルメザン)」「Feta(フェタ)」などです。
EUは「GI」Geographical Indications:地理的表示) やPDO(保護原産地呼称)を強力に保護する主張をしています。
EU は他国に対し「パルメザン」「フェタ」などの名称を合衆国産チーズが使うな」と要求を行っているのですが、合衆国はこれに強く反対しています。合衆国産チーズが「Parmesan」「Feta」などを使い続けられることを「市場アクセスの保護」としているのです。
合衆国では「パルメザン」「フェタ」が一般名詞(common food names)としての扱いで、そのため合衆国産チーズで「ドメスティックなパルメザン(チーズ)」が普通にあります。――で、これがEUとの間で揉めごとの種になっているわけです。
チーズの話は置くとしても、韓国はこのような合衆国産の肉製品・チーズの輸入経路を確保する――とファクトシートに載っているわけです。
さて、韓国政府は本当に農産物(農畜産市場)を守ったと言い切れるのでしょうか。実はファクトシートに書かれていないこと(揉めているので掲載できなかったこと)があるのではないでしょうか。
原子力潜水艦がホイホイできるわけではない
さて、原子力潜水艦の件です。

(よせばいいのに)李在明(イ・ジェミョン)さんは、このファクトシート発表について「韓国にはバラ色の原潜建造ルートが開かれた」みたいに語りました。
李在明(イ・ジェミョン)さんは、
「韓国の数十年の宿願であり、朝鮮半島の安定のために欠かせない戦略資産である原子力潜水艦を推進することで意見が一致した」
「ウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理権限も、合衆国政府の支持を確保することに成功した」
――と述べたのですが、ではファクトシートの方には何と書いてあるか?
(前略)
・Consistent with the bilateral 123 agreement and subject to U.S. legal requirements, the United States supports the process that will lead to the ROK’s civil uranium enrichment and spent fuel reprocessing for peaceful uses.・米韓二国間の123協定と、合衆国の法的要件に従うことを条件として、合衆国は、韓国(ROK)が平和目的での民生用ウラン濃縮および使用済み燃料再処理へと至るプロセスを支援する。
・The United States has given approval for the ROK to build nuclear-powered attack submarines. The United States will work closely with the ROK to advance requirements for this shipbuilding project, including avenues to source fuel.
・合衆国は、韓国が原子力推進攻撃型潜水艦を建造することを承認した。合衆国は、この造船プロジェクトの要件を進めるため、燃料調達の経路を含めて、韓国と緊密に協力する。
(後略)
まず、上掲の最初の文です。
123協定の枠(=軍事目的禁止)と合衆国内法の制約を前提として、その範囲内で「民生用」濃縮・再処理への道筋を支援する、非常に「カタにはめた」表現です。
「韓国が原子力推進攻撃型潜水艦(nuclear-powered attack submarines)を建造することを合衆国が承認」
「燃料調達の経路を含む要件整備で緊密に協力」
――となっていますが、前の文で、「123協定+米国法に従う」と縛っている以上、
123協定の「peaceful purposes / any military purpose禁止」を変えない限り、そこから出てくる核物質・技術を原潜燃料に使うことはできません。
合衆国内法的にも、AUKUS同等以上の特別な123協定 + 議会承認が必要になります。
現行の123協定と原子力法体系をそのまま維持しながら、韓国が自前で原潜用核燃料を作るというシナリオは、条約・法律・非拡散政策の三重の縛りを全てくぐり抜ける必要があり、実務上、不可能です。
だからこそ「燃料供給してください」と李在明(イ・ジェミョン)さんがトランプ大統領に直訴までしたわけですが、このファクトシートを見る限りは、決して合衆国が「うん」といったとはいえません。「支援するかもね」ぐらいの言い様です。
わざとカタにハメた表現にしてある、と推測できます。
李在明(イ・ジェミョン)さんは「わが国の宿願が果たされた」なんて言っていますが、果たされてなどいません。
実はまだ不明なのです。
日本としては、世界最悪の反日国家・韓国がウラン濃縮を行うなど断じて許すことはできません。トランプ大統領はあまり考えないで「まあ、いいんじゃない」ぐらいかもしれませんが、日本としては「断固潰す」のが正しい態度です。
(吉田ハンチング@dcp)






