韓国ウォンの対ドル安が進行しており、当局は慌てております。
口先介入を行いましたが、さっぱり効きませんでした。
「市場変動が過度に大きくなれば介入することも辞さない」などといいましたが、このご時世、こんな程度の脅しが効くようなら誰も苦労しません。
ご紹介したとおり、企画財政部の具潤哲(ク・ユンチョル)部長(長官)が主宰して、為替安定のための会議を開催したのですが――その中身が何であったのかを韓国メディア『毎日経済』が書いています。
同記事から以下に一部を引用してみます。
(前略)
この日の会議で出席者たちは、輸出企業が過剰にドルを保有している問題に集中して議論したと伝えられている。輸出企業の外貨両替と海外投資の現況を定期的に点検し、必要であれば政策資金の支援と連携する方策まで検討することで結論が出た。
(中略)
輸出企業がドルを貯め続けている理由は大きく2つある。
第一に、ウォンの価値が今後さらに下落する可能性を見越しているとみられる。わざわざドルをウォンに両替した後、再びドルを購入すると為替差損が発生するためである。
第二に、海外投資の需要が増えていることも大きな要因である。
現在、国内大企業は米韓関税協議の一環として、1,500億ドルを米国に投資することを決定している。輸出で得たドルをそのまま保有しておき、米国現地への投資に使う方が企業にとっては有利なのである。
しかし当局は、こうした事情を考慮しても企業がドルを過度に保有していると判断している。
そのため、輸出代金として受け取ったドルを両替せず、過剰に長期間保有する場合は、政策資金支援の中止など「ペナルティ」を科す方針である。
(後略)
輸出企業がドルをウォンに換えないのには合理的な理由があります。
『毎日経済』が書いているとおり、これ以上ウォン安が進むなら、それまで待った方がより差益が出るからです。
またアメリカ合衆国のカツアゲによって対米投資を行うことになりましたので、ドルをウォンに両替する必要はありません。合衆国に投資するにはドルがいるからです。
――にもかかわらず、輸出企業に「ドル売り・ウォン買い」を強いるべく、両替しなかったらペナルティーを科すそうです。
※ドル売り・ウォン買いを行えば、ウォン安進行に対抗することができるからです。
無茶苦茶です。このような議論がされること自体が、いかに韓国当局が困っているかを証明していますし、同時に韓国の金融がいかに脆弱かの証明でもあります。

↑『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「はは、オレばか嫌い」という風のある方ですが、『IMF』のアジア太平洋局長の務めた切れ者です。
『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、韓国にはもったいないほど優秀な人ですが、本当にこのような議論に賛成しているのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)






