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新大統領の「どうしようもない現状」 その01「輸出依存の形」

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南朝鮮で新しい大統領が選出されましたが、国の経済状態は極めて悪く、新大統領の手腕がどんなに素晴らしいものであっても、もはやどうしようもない状況となっています。今回は「韓国の経済状態」がどのようなものであるのか、と俯瞰してみます。

まず、韓国のGDPは2016年の段階で約1兆4,110億ドルです。このうち約46%商品・サービスの輸出によって達成されています。非常に輸出に偏った形の国なのです。ちなみに、輸出産業で国が持っているとイメージされがちな日本は約18%。アメリカに膨大な輸出を行っている中国でも約22%ですから、韓国という国がいかに輸出に依存しているかが分かるでしょう。

輸出依存型の経済でも、問題になっているのはその中身です。輸出品目を見てみますと、約48%が電子機器やその関連部品。また約31%が自動車、船舶とその関連部品。前者を代表する企業はサムソン、後者はヒュンダイが挙げられますが、皆さんもご存じおとおり、サムソン、ヒュンダイなどは中国企業の激しい追い上げにさらされており、船舶では韓進海運が破綻したように、その行く手に大きな暗雲が立ちこめているのです。

日本ではあまり報じられるところが少ないですが、船舶の分野においても中国企業(そして港湾)の追い上げが激しいのです。「太平洋地域の海運は再編のときが来ている」とは識者の指摘するところでもあります。

つまり、足して70%を超える輸出品目について、この先のサバイバビリティーが心配されているわけです。中国を筆頭とする中進国が追いついてその牙城を崩せるほど脆弱な輸出品目といえます。簡単にいえば、多様性がないので、キャッチアップされれば輸出が縮小し、輸出依存の韓国経済はとたんに成り立たなくなるのです。

輸出依存から内需依存に転換する可能性がないわけではなかったのですが、韓国はそれを行わず、ここまで輸出拡大を続けてきました。これはもう覆すことができません。さらに、韓国は日本よりも急速に老いている国です。

先の記事で「人口ボーナス」についてご紹介したことがありますが、韓国は人口ボーナスが2016年でなくなると計算されており、これ以降の大きな成長は望むべくもありません。これも覆すことはできません。

新大統領が直面しているのは、これから成長が望めない自国の経済、もう作り替えることのできない脆弱な経済のフレームなのです。韓国の経済は、中国など新興国が技術を修得し、自動車・電子機器・船舶を製造できるようになればなるほど、まるで波打ち際に築いた城のように崩れていくのです。

(柏ケミカル@dcp)

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