習近平の無理難題「2027年06月までに融資平台の債務を片付けろ」⇒「地方政府と融資平台は関係ありません」にして「飛ばす」つもりではないのか?

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期限まで1年を切りました。

何の話かというと、中国地方政府の隠れ負債、いわゆる「地方融資平台」が積み上げた債務の処理期限です。

これは2024年08月に出された(いわゆる)150号文書に定められています。

求めているのは、地方政府の隠れ債務を解消し、融資平台から政府の資金調達機能を切り離し、2027年06月末までに政府の融資平台リストから退出させること――です。

以下がいわゆる「150号文書」といわれるものです。面倒くさいかもしれませんが、一応要旨についてを以下に全文和訳します。

中国共産党当局が何をしようとしているのかを先にまとめておきます。

❶地方政府の隠れ債務をゼロにする
融資平台が抱える地方政府の「隠性債務(隠れ債務)」を解消しなければなりません。その事実を当該地方政府または権限を委任された部門が文書で確認します。

❷金融債務について債権者の同意を得る
金融債務がゼロであるか、残っている場合には、債務金額の3分の2以上を占める金融債権者から退出への同意を得る必要があります。
これは債権者の人数の3分の2ではなく、債権額を基準とする3分の2です。

❸地方政府の資金調達機能を完全に切り離す
政府に代わって借金する機能を廃止し、独立採算で経営し、自らリスクを負う市場主体に転換します。あるいは法令に従って会社を抹消します。

「150号文書」はこのように定めている!

2024年08月27日「『中国人民銀行』など4部委による融資平台企業の退出規範化に関する通知」(銀発〔2024〕150号)

2024年08月27日、『中国人民銀行』、財政部、国家発展改革委員会、中国証券監督管理委員会が共同で150号文を発出し、(城投の)融資平台からの退出について、遅くとも2027年06月末までとすることを明確にした。

期限までに退出していない場合、その時点で省級政府が認定したうえで主管部門に対してリストからの削除を申請する。

150号文は主として、35号文および134号文における城投の融資平台退出に関する内容を補完するものである。ネット上で伝えられているところによると、150号文の要点は以下の通りである。

(一)融資平台退出の最終期限

150号文は、融資平台退出の最終期限を2027年06月末と明確にした。期限までに退出していない場合、その時点で省級政府が認定したうえで主管部門に対してリストからの削除を申請する。

これは、134号文が35号文の期限を2027年06月まで延長した時期と重なっている。すなわち、2027年06月末までに債務リスクの解消と融資平台からの退出をすべて完了させなければならない。

今回の150号文はさらに一歩踏み込み、融資平台退出の最終期限を明確に定めた。

依然として融資平台の転換についての明確な基準や、融資平台に残っている自主的には解消できない債務をどのように処理するかなど、政策上の細則は確認できないものの、2027年06月末までに融資平台退出の任務を完了させるという政策目標はすでに明確になっており、リストからの削除は間違いなく今後2年間の大きな流れとなるだろう。

(二)退出基準

1.融資平台の地方政府隠性債務がすでに清零されていること。融資平台の本級人民政府またはその授権部門が押印して確定する必要がある。

2.融資平台に金融債務が存在しないこと、または金融債務が存在する場合には、金融債務の3分の2以上のシェアを占める金融債権者が退出に同意していること。

債権者は、融資平台の退出に同意するか否かについて明確な意見を提示しなければならない(期限までに回答がなければ同意したものとみなす)。

同意する場合には証明を用いる必要はない。

同意しない場合には、融資平台退出後に地方政府による債務履行責任を依然として負わせる必要があることを示す合理的な根拠を提示しなければならない。

また、地方政府および財政などの部門が法令・規則に基づいて確認し、最終的に省級政府が退出させるか否かについて明確な判断を示す。

3.融資平台が政府の資金調達機能からすでに切り離され、独立経営・自己責任でリスクを負う市場化された経営主体へ転換していること、または法令・規則に従って抹消されていること。融資平台の本級人民政府またはその授権部門が説明を発行する。

150号文は、35号文が提示した「退出時に金融債務が存在する場合には、債権者の同意を得なければならない」という融資平台退出の前提条件の一つを改めて確認するとともに、この条件をさらに整備した。

債権者が同意する場合には証明を用いる必要はなく、また、債権者が一定期間内に回答しない場合には同意したものとみなす。債権者が同意しない場合には証拠を提出し、企業に隠性債務がなお存在する、または企業が依然として政府の資金調達機能を担っていることを証明しなければならない。

地方政府が証拠を審査し、判断意見を示す。

3.経済・金融エコシステムの安定を維持する。
融資平台の退出過程において、融資平台の数を減らすことを口実として金融債務の返済を逃れることは認めず、債務の偽装・粉飾を厳禁する。

融資平台の退出後、地方政府は一定期間内(原則として1年以上)、転換後の市場化された経営主体の債務について追跡・監視を行い、債務の「爆雷」を厳重に防止する。

(三)退出後の管理

1.融資平台は退出後、適切なルートを通じて、政府の資金調達機能を今後担わないことを速やかに声明する。

2.融資平台は退出後、融資平台リストから削除され、35号文などによる政策支援を受けなくなる。新規融資については、融資平台の新規融資に関する政策上の制限を受けない。

3.融資平台の退出後、地方政府は法令に基づいて企業に対する資金支出の仕組みを整備しなければならず、予算措置および適法な担保がない状況で企業に資金を支出することを厳禁する。

中国『地方融資平台』債務66兆元。この崩壊で最後の柱が折れる
中国経済がいよいよ危なくなっており「ココが崩れたらおしまい」といわれているのが、「地方融資平台」の債務問題です。先日、「中央政府が地方融資平台に債券発行を許可する」というニュースが出ました。これは「いよいよ中国の地方債務問題が危ない」と示す...

地方融資平台※がどういうものなのかについては随分前にご紹介しました。簡単にいえば、中国の地方政府が中央政府からの干渉なしに資金調達するための「抜け道のスキーム」です。

※Local 地方融資平台は英語では「Government Financing Vehicle」。略称は「LGFV」でニュースなどではしばしば「LGFV」が使われます。

地方政府の信用補完はありません!――にして飛ばすつもりでは?

一時は中央政府も地方融資平台の設立を推奨していたりしたのですが、地方融資平台が「城投債(じょうとうさい)」という債券などを発行して積み上げた債務が洒落にならないレベルになりました。

問題は――融資平台が積み上げた債務は、事実上「地方政務の債務」だという点です。これが「地方政府の隠れ債務」といわれる理由です。

これはイカンとなって、2024年08月27日、習近平さんら中国共産党中央政府は「2027年06月までに解消せよ」という150文書を出したというわけです。

期限まで1年を切って、現在またこの行方が注目されています。

「隠れ債務」ではないよ――とするために、150号文書は――2027年06月末には「地方政府による事実上の信用補完がなくなるようにする」ことを企図しています。

邪推すれば――「この融資平台については信用補完しませんよ」と切り離して、「飛ばす」つもりではないのか――とも考えられます。

債務を残したまま地方政府の信用補完を切り離し、その後の損失を金融機関などに負担させ得る制度を整えている――と見ることができるわけです。

もちろん、そんなことをして金融システム自体が揺るがないのか――が問題ですが、中国共産党中央にとっては、中国共産党が揺らぐよりも、金融システムが揺らいだ方がマシ――と考えていたらどうでしょうか?

中国の地方政府はもはや二進も三進もいきません。債務がチャラになったと「見える」ためには何でもすると思われるのですが……。

(吉田ハンチング@dcp)

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