毎度おなじみのことですが、アメリカ合衆国財務省より2020年02月末時点での「合衆国公債の保有国、保有残高のデータ」が公表されました。これを韓国銀行から公表された「02月末時点での外貨準備」と付き合わせてみます。
公表される韓国の外貨準備高は、以下の項目に分かれています。
Securities(証券類)
Deposits(預金)
SDRs(IMFのSDR(特別引出権))
IMF position(IMFリザーブポジション)
Gold(金)
Securities(証券類)の中身は公表されないのですが、合衆国財務省が「どの国がいくら合衆国公債を持っているか」を毎月公表してくれるため、韓国が公表したSecurities(証券類)のうち、「合衆国公債がいくら分あるのか」「それ以外の正体不明のSecurities(証券類)はいくら分あるのか」は判別できるのです。
一種の答え合わせです。
というわけで、合衆国財務省が2020年04月15日(現地時間)に公表したデータは以下になります。
⇒データ引用元:『アメリカ合衆国財務省』「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」
https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt
これによれば、韓国は2020年02月末時点で合衆国公債を「1,161億ドル」分保有していることになります。
韓国銀行が公表した02月末時点でのSecurities(証券類)は「3,712億ドル」でしたから、
合衆国公債:1,161億ドル
それ以外の正体不明のSecurities(証券類):2,551億ドル
ということになります。
また上掲のとおり、01月末から02月末にかけて合衆国公債の保有残高は「50億ドル」も減っています。
上の記事でご紹介したとおり、韓国の外貨準備は01月末から02月末にかけてSecurities(証券類)が「72億ドル」減少しました。この72億ドルのうち50億ドルは合衆国公債だったわけです。
韓国の外貨準備では、Securities(証券類)のほぼ31%が合衆国公債です(この比率は2019年01月からほぼ変わりません)。この比率からすると、72億ドル減少した中の50億ドルが合衆国公債というのは約70%ですから、いささか比率が高すぎます。(現金化しやすい)合衆国公債を現金に換えておく必要があったということでしょうか。
こうなると、03月末時点での韓国の外貨準備・Securities(証券類)のうち、合衆国公債がいくらになったのかも知りたいところなのですが、これは1カ月後に合衆国財務省から公表されます。楽しみに待つことにいたしましょう。
(柏ケミカル@dcp)