2020年03月の「中国」の外貨準備が中国の中央銀行『中国人民銀行』(「People’s Bank of China」)から公表されています。
外汇储备……3兆606.33億ドル
(Foreign currency reserves)
対前月比:463.98億ドル減少
基金组织储备头寸……80.70億ドル
(IMF reserve position)
対前月比:0.50億ドル減少
特别提款权……110.19億ドル
(SDRs)
対前月比:0.68億ドル減少
黄金……1,007.90億ドル
(Gold)
対前月比:0.57億ドル減少
其他储备资产……-2.38億ドル
(Other reserve assets)
対前月比:1.38億ドル減少
計:3兆1,802.74億ドル
⇒データ引用元:中国『外国為替管理局』「Official reserve assets」
外貨準備全体で前月比463.98億ドル(日本円換算で「4兆9,914億円」:04月18日のドル円を使用)という巨額の減少です。ここまで急激に外貨準備が縮むのは異例のことです。
中国当局はこの激減に対して「ドルの評価が下がったため」などと説明していますが、DXY(ドル指数)の急騰などを見ていなかったのでしょうか? 事実は逆です。世界中が新型コロナウイルス騒動で異常な「ドル高」に直面したのです。
つまりこの外貨準備の激減はドル高になった分余計に(ドル換算の)外貨資産が減ったと捉えなければならないのです(今回はあまりに強いドル需要のため一時円まで安くなりましたから)。
輸出の不振によって流入するドルが減り「ドルの純流出」が増えたこと、新型コロナウイルス騒動による盛大な為替介入などの理由が考えられます。為替介入による外貨準備の減少は、かねてから安達誠司先生、田村秀男先生をはじめ、多くの識者から指摘されてきたことです。
気になるのは中国の持つSecurities(証券類)の中身です。03月段階で中国がどれほど合衆国公債を保有しているかを参照したいところですが、残念なことにアメリカ合衆国財務省からの公表は約4週間後です。
次月に公表されたら照らし合わせてみましょう。これは楽しみです。
(柏ケミカル@dcp)