先に韓国の原発産業の一角を担う『斗山重工業』の経営が傾いているという件をご紹介しました。
この『斗山重工業』が建設した原発「新古里3号機」が再稼働するという記事が韓国メディア『韓国経済』に出ました。
「新古里3号機」は2017年1月に運転を開始した加圧水型(PWR)・容量140万kWの原発で、2019年11月20日から定期点検に入っていました。
この点検が終わり、2020年04月17日に再稼働の承認が下りたというのです。
ちなみに「新古里3号機」は、建設途中の2014年12月26日に窒素ガス漏れ事故を起こし3人の作業員の方を死に至らしめたことのある、ある意味いわくつきの原発です。
また、この事故原因というのが「バルブの不良」というもの。しかも監督者が「作業員から『バルブからガスが漏れる』と聞いても、なんらの処置も取らなかった」という、建設用材も不良品なら管理もいい加減な信じがたいものだったのです。
この死亡事故で、『韓国水力原子力』(組織の名称です:略称『韓水原』)の古里原発本部 原子炉設備課長が立件されるという事態になりました。
⇒参照・引用元:『ハンギョレ』「新古里3号機窒素漏れ「不良バルブ」のせい」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
原発という、いったん致命的な事故を起こしたら取り返しのつかない事態を引き起こすかもしれないモノ――を造っている意識など持ち合わせていないかのような話です。
長い前フリで恐縮ですが、ここからが本題です。今回の定期点検について『韓国経済』の記事から以下に引用します。
定期検査中の新古里3号機の再稼働(臨界)が17日許可された。
原子力安全委員会は、昨年11月20日から定期検査を実施したが、原発の再稼働を承認したとこの日明らかにした。先に87個の項目を検査して新古里3号機の原子炉が安全に運転できることを確認したのだ。
(中略)
今回の定期検査で原発格納建物内の鉄板(CLP)の厚さがすべて基準値(5.4mm)以上であることが分かった。格納建物内部の鉄板は、原発事故時の放射性物質の漏出を防ぐ働きをする。
ただし、格納建物のコンクリートでは最大40.5cmの深さがある穴(亀裂(原文では「空隙」)筆者注)が2つ発見されたが、すべて補修された。
蒸気発生器では異物40個が発見されて、これも取り除かれた。
⇒参照・引用元:『韓国経済』「原子力安全委員会『定期検査』新古里3号機の再稼働を承認」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
先の記事でもご紹介しましたが、韓国企業が建設中のUAEの原発でも格納建物に亀裂が見つかり、補修されています(まだ運転を開始していない原発です!)。格納建物の壁に亀裂を生じさせずには原発を造れないのか、と突っ込みたくなるような話です。
情けないことに、韓国の原発に何か致命的な事故が起こったら、日本海を挟んでスグの日本もただでは済みません。
再稼働して本当に大丈夫でしょうか。
(柏ケミカル@dcp)