文在寅政権の成立、5年間の政治によって、韓国は元へ戻せないほど親中の国になりました。親中というよりは媚中、もっといえば中国の属国となる方向に自ら進んで向かい、それでよしとしています。
本気で中国と事を構える気などないでしょう
中国の属国方向を決定付けたのは、前恵朴槿恵(パク・クネ)大統領ですが、しかし文政権によってこれが固定化されました。もはや引き返せるとは思えません。
先にご紹介したとおり、保守系の韓国メディア『朝鮮日報』などが「中国の顔色ばかりうかがって文句一つ言えない」という旨の政府批判の記事を出していますが、果たしてメディアが「中国から制裁を受けてもいい」という覚悟を持って記事を書いているのかは甚だ疑問です。
一種のガス抜き記事と捉えることもできるわけで、言うべきことを言い、実際に中国から圧力を受けて経済的な損失が出たら、政府批判の記事を出すのではないでしょうか。
例えば、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは「THAADを追加配備する」という親米方向の公約を打ち出していますが、大統領になっても言い続けられるか(実現できるか)は分かりません。腰砕けになって撤回したら、それこそ「言うだけ番長」だったことになります。
わずか80年だけが中国から切り離された時期だった
アメリカ合衆国は、そして日本も「これからも韓国が海洋国家側(自由主義陣営と言い換えてもいいです)に属し続けるだろう」と誤解しています。
韓国はもともと大陸国家・中国の一勢力として1000年以上を過ごしてきたのであって、海洋国家側に入ったのは「1910年の日本による朝鮮併合」以降のこと。
朝鮮併合の1910年08月22日(条約公布施行日:宣言は08月29日)から、韓国が成立して中国と国交を結んだ「1992年08月24日」までの約80年間は、朝鮮半島(南朝鮮だけですけど)の歴史の中でも唯一「中国から切り離されていた時期」でした(日本と合衆国が中国に相対していたので)。
この特異点で起こったことが、法治主義の導入、民主主義国家への転換だったのです。
韓国の皆さんは嫌がるかもしれませんが、朝鮮自らの力で中国よりも先に近代化が進み、法治・民主主義が導入されたわけではありません。全て、日本と(第二次大戦後は)アメリカ合衆国が韓国に導入しました。
しかし、中国から切り離されて成立し得た時期が終了したら、また元の中国の勢力圏に入り、かつてのように属国化してもおかしくはありません。
その証拠に朴政権、文政権と進むにつれ、従中が固定されてしまいました。
わずか80年では、1000年の歴史を持つ「中国に従属する姿勢」を覆すことはできない――そう考えるべきではないでしょうか。
韓国人は「属国だったのだから」と自らを納得させてしまう
韓国には「中国への恐れ」と「中国の属国として振る舞わなければならない自らへの諦観」が抜きがたく残っているのです。
韓国に深い知見をお持ちの鈴置高史先生が、ご自身の経験として、「どうせ属国だったのだから」と嘆き、自分を納得させる韓国人について語っていらっしゃいます。
以下に先生の著書から当該箇所を引用します。
(前略)
このころから韓国人は「属国だったのだから仕方ない」とあきらめの言葉を吐くようになった。2006年、韓国の指導層の4人と夕食をとった。「東北工程」により反中国感情が高まっていた時だから、彼らの間で中国に対する悪口に花が咲いた。だが、それが最高に盛り上がった瞬間、1人が「でも、どうせ属国だったのだから」とボソリと言うと、皆が黙り込んでしまった。
その後、様々な状況下で韓国人から「どうせ属国だったのだ」との嘆き節を聞かされるようになった。日増しに傲慢になる隣の巨人には腹が立つ。だが、ケンカしても勝てない。そこで「中国との関係はもともとそんなものなのだ」と自分に言い聞かせ、日本人にまで語って納得するのである。
(後略)⇒参照・引用元:『米韓同盟消滅』鈴置高史,株式会社新潮社,2018年10月20日発行,p87
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
読んでいると寂しい、哀しい気持ちになる挿話です。しかし、このような韓国の皆さんのメンタリティーは日本人にはとうてい理解できないところです。
日本は韓国などアテにせず、自身の足でしっかりと立ち、中国と相対する必要があります。
(柏ケミカル@dcp)