韓国が国産化に成功!と主張している「高純度のフッ化水素」「超高純度フッ酸」。韓国の「フッ化水素の輸入」について調べました。
激減した日本からの輸入は回復していない
半導体や液晶パネルを製造する上での必須素材である「フッ化水素」ですが、2019年07月01日、日本政府が韓国に対しての輸出管理強化を打ち出して以降現在まで、韓国のフッ化水素の輸入量はどのように推移しているでしょうか?
『韓国貿易協会』(KITA)のデータベースから2019年01月~2020年05月までのフッ化水素の輸入金額・輸入先国をピックアップし、金額の推移をグラフにすると以下のようになります。
※韓国のフッ化水素の主要輸入先は「中国」「日本」「台湾」「アメリカ合衆国」で、それ以外は非常に小さな金額のため、4カ国に絞ってグラフにしました。
オレンジのラインが日本からの輸入です。
残念なことに輸入品目「フッ化水素」(およびフッ酸)は高純度の製品、低純度の製品という区別がされていませんので、まとめてしか輸入金額の推移が分かりません。
上掲のとおり、日本の対韓国「輸出管理強化」を発表した2019年07月以降、韓国の日本からの「フッ化水素」の輸入は激減しています。
日本からの輸入が減ったのと同時期に台湾からの輸入(グレーのライン)が増加していますが、では台湾産が日本と同様の「高純度・超高純度」のフッ化水素なのでしょうか。
しかし、日本からと台湾からの輸入量を足しても、「輸出管理強化」以前の日本からの輸入量にまで達しません。
「フォトレジスト」の場合には、ベルギーからの迂回輸入が急増しており、説明がついたのですが、フッ化水素の場合には「迂回輸入先」が見当たらないのです。
韓国産が埋めたとは考えられないが……
では、韓国政府の説明どおり、日本からの高純度・超高純度のフッ化水素が減った分を韓国産の製品が埋めたのでしょうか?
とてもそうは思えません。
韓国企業『ソウルブレイン』が12nine(純度99.9999999999%)のフッ酸の大量生産技術を確保した、と韓国の産業通商資源部が発表したのは2020年01月02日。
韓国企業『SKマテリアルズ』が5nine(純度99.999%)のフッ化水素の量産を開始したと発表したのは2020年06月17日です。
では、それまでの足らない分はどこから調達したのでしょうか?
フッ化水素について引き続き調べます。
(柏ケミカル@dcp)