G7が終わって各国で総括が行われています。まず中国ですが、G7の共同声明(コミュニケ)を一蹴するような反応を見せています。以下に中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』の社説記事から一部を引用します。
会議終了後、各国はコミュニケを発表し、公然と中国を批判し、中国の新疆ウイグル自治区、香港、台湾に関する問題に言及しました。また、「強制労働」や東シナ海・南シナ海での「一方的な現状変更の試み」への反対にも言及しています。
態度の表明は、さまざまなトーンで行われた。
直接、中国を名指しするものもあれば、中国を名指しせずに含みを持たせるものもある。
また、中国の名前を直接出してはいないが、明らかに中国をターゲットにしているものもあります。これは、欧米の主要国が中国を最も組織的に非難し、干渉したものである。
(後略)
⇒参照・引用元:『Global Times』「G7 communiqué makes a show but Chinese don’t buy it: Global Times editorial」
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
今回のG7が中国をターゲットにした声明を出したと(当たり前ですが)受け止めています。中国を名指ししてはいないが、明らかに中国を標的にしたものもあると理解を表明しているのが面白い点です。
さらに興味深いのは、韓国の反応です。
G7に参加した国であるのに、韓国メディアでは韓国政府関係者が「特定の国を狙ったものではない」と述べたとのこと。
この件を報じた『朝鮮日報(日本語版)』から以下に引用します。
(前略)
G7首脳会議を準備してきた韓国政府関係者は13日、コーンウォールからオーストリアに向かう政府専用機内で、「中国を刺激する可能性がある声明に韓国が参加したのではないか」との記者団の質問に、「特定の国を狙う内容はまったくない」と説明。
(後略)
よくまあしれっとそんなことが言えたものですが、明らかに中国への忖度(そんたく)です。しかし、これで中国からの非難をかわせるかどうかは疑問です。
『GlobalTimes』の記事に戻りますが、同記事では、
最終的な共同声明は明らかに他の国が合衆国に妥協したものだ
と述べています。本当にイタリア、ドイツ、EUの首脳がそのようなことを述べたのかは不明ですが、同記事は結びが面白いのです。以下に引用します。
中国が自力で安定していれば、合衆国が勝手につまずくので、無理に押したり転ばせたりする必要はありません。
――だそうです。
(吉田ハンチング@dcp)