中国の商業銀行の不良債権比率が高まっています。これは銀行の健全性につながる重要な点です。
『銀行・保険監督管理委員会』の公開したデータによると、中国全土の1,000超の商業銀行では2020年上半期に1兆人民元の累積利益を達成しています。しかし、これは前年比で9.4%の減少。特に第2四半期はひどく、24%の減少。
06月末時点で中国の銀行が抱える不良債権額は2兆7,400億元(約42兆円)と見積もられており、6四半期連続の増加で過去最大にまでなっています。また、不良債権比率(貸し付け額に対する不良債権の割合)は「1.94%」となり、2019年末の「1.86%」から上昇。
しかし、この数字も「盛っている」と考えられており、『S&Pグローバル』では2020年末には中国の銀行の不良債権比率は10%に達すると予測しています。
要するに「中国の銀行が危なくなってきたんじゃないの」ということです。
この不良債権についても報じた『大紀元時報』の記事では中国共産党幹部の言葉を以下のように伝えています。
銀行・保険監督管理委員会の委員長でもある郭淑清は、8月13日、党メディア新華社通信で、今年の前半に中国の銀行業界において新たな不良債権が増加していることを明らかにした。
⇒参照・引用元:『大紀元時報』「4人の銀行幹部が解任、中国農業銀行と建設銀行は9200万元の罰金を科された」(原文・中国/筆者(バカ)意訳)
中国では、とりつけ騒動が起こる、銀行の再編、国有化※など、銀行関連のどたばたが絶えません。銀行を飛ばすわけにもいきませんし、不良債権の処理にも頭を悩ませているはずです。
※ただし、銀行の国有化については中国共産党内の政争絡みの件もあるとされます。ただ単に危ない銀行を救済したというのではないというわけです。
(吉田ハンチング@dcp)