アメリカ合衆国と中国の対立が深まって、合衆国は中国への半導体供給を断つつもりです。09月15日には合衆国の制裁が効力を発揮します※が、ここにきて半導体メモリー、DRAMの現物価格が上昇を見せるという異例の事態となっています。
値上がりを報じた韓国メディア『朝鮮日報』の記事から一部を引用します。
4カ月以上落ち続けたメモリー半導体(DRAM)の現物価格が最近反発を開始した。
市場調査会社『ディルハムエクスチェンジ』によると、27日に取り引さきれた「DDR4 8G(ギガビット)」の容量のDRAM現物は2.586ドルで、前日の26日より0.78%上昇した。
DRAM現物は、4月初め3.63ドルで最高点となった後下落を続けてきたが、去る25日143日ぶりに2.53ドルで初めて反発した後、3日連続で反発を続けている。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「反発するDRAM現物…半導体実績改善につながるか」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
韓国のメディアがメモリー半導体の価格にご執心なのは、もちろん韓国の輸出が半導体に大きく依存しているからです。価格が下落し続けていましたので、韓国メディアに登場する経済予測もさっぱり冴えません。しかし、この調子で価格が戻れば……というわけです。
しかし、これは合衆国の制裁が始まる前の駆け込み需用が大きいと考えられます。実際、同記事にも以下のように書いています。
(前略)
半導体業界では、DRAMの現物価格の反発期間が少なくとも合衆国の制裁が始まる9月14日まで継続するものと見ている。合衆国は09月14日から全ての半導体をファーウェイ(Huawei:華為技術)社へ供給することを事実上禁止した。現在ファーウェイ社は、これを避けるために、DRAM半導体を企業間取引だけでなく、小売店からもかき集めていることが分かった。
(後略)
というわけで、駆け込み需用はいいとして、問題は09月15日以降、中国への供給が本当に遮断されたら、どうするのかです。韓国企業はひと息ついただけで、後がとても心配でしょう。
(吉田ハンチング@dcp)