『韓国銀行』の公表した「2020年の地域別国際収支(暫定版)」では、韓国がどの国・地域からたくさんもうけているかが分かります。ここまで対日本と対中国についてご紹介しましたが、ついでなので「対アメリカ合衆国」についても見てみます。
韓国の経常収支は「対合衆国」では以下のようになっています。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2020年の地域別国際収支(暫定版)」
韓国は「対合衆国」では「331.6億ドル」(約3兆6,735億円)の黒字で、大変もうかっています。
経常収支の中身は以下です。
貿易収支:333.5億ドル(約3兆6,945億円)
サービス収支:-85.3億ドル(約-9,450億円)
第1次所得収支:85.7億ドル(約9,494億円)
第2次所得収支:-2.4億ドル(約-266億円)
物品の貿易収支は「333.5億ドル」も黒字。貿易収支は「輸出 – 輸入」で求めますから、合衆国に対しては輸出で非常にもうけています。
サービス収支は「-85.3億ドル」と大きな赤字ですが、旅行・現地での消費、金融取引の手数料、知的財産権の使用料などで合衆国への支払いの方が大きいのは仕方ないでしょう。
しかし、2020年はコロナ禍の中、人の移動が制限されましたので2019年の「-133.4億ドル」(約-1兆4,778億円)と比較すれば「48.1億ドル」(約5,329億円)も赤字が少なく済んでいます。
投資からの収益などが計上される第1次所得収支は「85.7億ドル」の黒字。これは年々増加傾向にあります。投資の上がりが増えているのは韓国にとっていいことです。
第2次所得収支は「-2.4億ドル」の赤字ですが、「-20億ドル」ほど赤字になる例年から比べれば金額は縮小しています。
韓国にとって合衆国はもうけが大きいお得意さまですね。
対中国と対合衆国を比較してみると……
合衆国と中国の新冷戦が激しくなって、韓国は板挟み状態といわれます。現在の文在寅政権は親中・親北が信条ですでのが、合衆国から要請されてもなかなか中国について厳しい措置は執りませんし、意見表明も行いません。
これは中国が最大の貿易相手国であり、もうけさせてくれるから――といわれます。では2017~2020年の対中国、対合衆国の経常収支を比較してみましょう。
「対中国」の経常収支は2018年の「473.7億ドル」(約5兆2,477億円)から急減して、コロナの中、2020年には「対合衆国」が逆転されました。
貿易のもうけを示す貿易収支も2019年に逆転されました。つまり、対合衆国の方がもうけが大きくなっているのです。
もちろんこの傾向が続くかどうか分かりませんが、少なくともこれを見る限り、合衆国の肩を持つべきではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)