いざ通貨危機になってみると「外貨準備はありませんでした」という過去を持つ韓国。
イヤな過去で、その上この件を元FRB議長の著書でばらされていますので、これがトラウマになったのか、韓国は外貨準備(外貨準備高)をせっせと積み上げ、アジア通貨危機時と比べると16倍にもなっています。
では、そもそも韓国は外貨準備についてどのように考えているのでしょうか。
「外貨準備」とは何か?
通貨当局の『韓国銀行』は一般向けの解説(オンライン学習)を行っており、そこで「外貨準備」について説明しています。講師は『韓国銀行』国際局次長ですので、最も正確に『韓国銀行』の認識について教えてくれているはずです。
以下がその説明です。
外貨準備高とは何なのか、その概念について説明します。
外貨準備高とは、国際収支保全、市場介入などのために、いつでも使用できる(readily available)通貨当局の対外資産を指します。
外貨準備高の要件としては、
まず、通貨当局が直接保有するか、実効的に制御可能な資産である必要があります。
第二に、制約なしにすぐに使用可能な流動性のある資産である必要があります。
第三に、国際取引で自由に利用できる兌換性(convertibility)の高い通貨でなければなりません。
第四に、適格投資評価(BBB)以上の資産である必要があります。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「経済教育」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
非常に明解で、IMF(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)による定義に沿った説明です。
「韓国の外貨準備にカウントされているSecurities(証券類)の多くはすぐには使えない(換金できない)債券だ」などといわれたりしますが、少なくとも『韓国銀行』の認識では、そのような流動性の低いものは外貨準備とは呼べないことになります。
「外貨準備を保有する目的」とは?
「外貨準備を保有する目的」については、以下のように説明しています。
次に、外貨準備高を保有する目的は何でしょうか?
外貨準備高は、有事の際、最終的に使用するための準備資産です。
この外貨準備高は、外貨流動性が不足したとき、金融機関や企業が対外支払要求を満たせない状況が発生したときに使用されます。
そして外貨準備高は、対外衝撃などで為替が急変動したときに、市場の安定のために使用されます。
また、外貨準備高は危機の予防と新興国家の地位を向上させる役割をします。
2012年に3大国際格付け会社が韓国の信用格付けを上方修正したことがあります。
こちらも明解ですね。ドル不足など外貨が足らなくなったときや通貨防衛のときに使うよ、というわけです。また、外貨準備がたくさんあった方が世界的に信認が得やすくなるよ、といっています。
でも、あるフリだと困るのですけれども。
(柏ケミカル@dcp)