旧聞に属する話になってしまったのですが、実は『NewsWeek(ニューズウイーク)』に「韓国の通貨スワップ」についての記事が出ました(2020年12月24日付け)。執筆者は『ニッセイ基礎研究所』の金明中先生です。金先生は韓国経済についての分析記事を多数書いていらっしゃいます。
今回の記事では、2020年にドル流動性が枯渇した韓国は、アメリカ合衆国が提供したドル流動性スワップ(韓国の言い方では「通貨スワップ」)に頼らざるを得なかった――と指摘していらっしゃいます。
また、韓国が「通貨スワップ」に積極的な理由は「韓国の通貨がドルや円のような基軸通貨ではないから」※と説明されています。
ハードカレンシーを持つ国なら、外貨が足らなくなったら自国通貨を刷ればいいのですが、韓国の場合は他国から借りるしかなく、借りられなければ通貨危機になる――という解説です。
興味深い記述があります。以下に同記事から引用します。
韓国は、現在の外貨準備高がまだ十分だと判断しておらず、日本とのスワップ取極にも積極的な立場を見せている。
丁世均首相は2020年3月27日に開かれた記者懇談会で「(米国に続き)日本とのスワップ取極も行われることが正しいと考える」と発言するなど日本とのスワップ取極に意欲を示した。
しかしながら日本からの反応は冷たく、日韓のスワップ取極の道は見えていない。
(後略)
一応韓国の外観準備は2020年11月末時点で「4,364億ドル」あることになっていますが、金先生は「当局はそれでも十分だと判断していない」とされています。ちなみに「通貨スワップ取極」は『日本銀行』の呼称(というか書き方)です。
「日本が韓国との『通貨スワップ』に冷淡な理由」は、「いわゆる徴用工問題」によって「韓国は国同士の約束を守らない国だ」と日本人が認識したためです。約束を平気で破る国と「契約」を結ぶことなど可能でしょうか?
しかも「日韓通貨スワップ」は日本に全く益はありません。
恐らく金先生も日本人の心情について理解していらっしゃるはずですが、そこまで言及しておられません。韓国に対する「情け」でしょうか?
⇒参照・引用元:『NewsWeek』「韓国とアメリカがスワップ取極を再延長、日韓スワップ取極も可能か」
※基軸通貨というのはドルのことなので、意味するところはハードカレンシー、主要通貨ということでしょう。