アメリカ合衆国との対立が深まり、左前になりつつある中国を脱出する中国人が増加しています。
中国人富豪には「キプロス」が人気
脱出組の中で裕福な富豪は、キプロス共和国へ資産と共に中国を後にしていると、中東カタールのメディア『アルジャジーラ』が暴露しました。
取材班が入手した文書による報道で、これは「キプロスペーパー」と呼ばれています。
キプロスは地中海にある島国ですが、お金さえ積めば(215万ユーロをキプロスに投資する)市民権を与えてくれるのです(二重国籍を認めています)。欧州の先進国にも近く風光明媚な地であるため、富裕層から人気となっているのです。
しかもキプロスはEU加盟国(2004年加盟)ですので、キプロスのパスポートを持っていればEU市民として域内にアクセスできるようになるのです。
もちろん、このシステムは投資を集めるためのキプロス政府の施策なわけですが、中国脱出したい中国人富豪にとっては渡りに船の仕組みというわけです。
「キプロスペーパー」は語る!
『アルジャジーラ』によれば、
2017-2019年の間に500人以上の中国人がキプロスのパスポートを入手した。
その中にはアジアで最も裕福な女性とされる杨惠壹(Yang Huiyan)を含んでいる。
とのこと。
杨惠壹さんは、中国の不動産開発会社『カントリーガーデン』の大株主(父親から株式を譲渡された)で、その資産が莫大であるためアジア一裕福な女性と呼ばれています。
杨さんは2018年にキプロスの市民権を得たことが判明したのですが、中国は二重国籍を認める国ではありませんので、これは明らかに法律違反です。「お金持ちは何やってもいい」ということなのでしょうか。
ともあれ、このような中国人による中国脱出が明らかになっています。実は富豪でなくても、現在の中国から逃げ出そうという動きは大きくなっているのです。
中国にいると危ないという認識が庶民まで広がっているということなのでしょう。
(柏ケミカル@dcp)